JPモルガンCEOが再び仮想通貨に嫌悪感を表明
仮想通貨の冬が長引いているにもかかわらず、仮想通貨の支持者は業界の見通しについて強気の姿勢を見せるなか、JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン(Jamie Dimon)CEO(最高経営責任者)は、仮想通貨のパフォーマンスに納得がいかないとして再び仮想通貨について言及した事が分かった。
悲惨な状況が続いた2022年を後に、2023年に突入して以来、ビットコイン(Bitcoin/BTC)価格は、過去数週間で少しずつ上昇している。CoinMarketCapの調べによると、2023年1月24日14時時点のBTC価格は、1BTC=300万円(23,000ドル)前後で推移しており、前日同時刻比+1.43%、1週間で8.49%の上昇を記録しており、時価総額は57兆9,040億円を超えている。
ビットコインは爆発するのか
久しぶりにBTC価格の朗報が報じられる一方で、ジェイミー・ダイモンCEOは、仮想通貨のパフォーマンスに納得がいかない姿勢をあらわにしている。
2017年9月までさかのぼると、同CEOはビットコインに対して敵対的な姿勢を市場内外に印象付けている。同CEOは、ビットコインは詐欺であり、爆発すると述べ、仮想通貨については言及していない。同CEOは、仮想通貨取引に関与したJPモルガンのトレーダーを「即座に」解雇すると述べた際、2つの理由を挙げていた。そこからすでに6年が経ったものの、同CEOは現在も仮想通貨を批判している。
FTXの終焉に続く市場の混乱を受け、ビットコインはデマであると同CEOは主張しており、世界最大の仮想通貨への反対姿勢を繰り返し表明している。前日、スイスのダボスで開催された世界経済フォーラムで、同CEOは仮想通貨には真の価値がないとして一蹴している。
仮想通貨取引きは時間の無駄なのか
インタビューで、ダイモンCEOはすべて時間の無駄だと思うと語っている。
そのうえで、投資家らが、なぜそれに息を浪費するのか理解できない。ビットコインは「誇大宣伝されたデマ」であり、「ペットロック」であると語っている。JPモルガンが通貨の形態として使用できると信じているブロックチェーンと台帳技術の特性について議論している間、同CEOはビットコインが真に価値の保存手段であることに懐疑的な見方を示し、次のように述べている。
ビットコイン供給量が2,100万に達することをどうやって知っていますか。たぶん2,100万に達し、その時点でサトシの姿が現れて皆さんを笑わせるでしょう。
JPモルガンと同CEOは、2017年以来、JPモルガンがオープンソースのブロックチェーンの取り組みであるThe Enterprise Ethereum Allianceの立ち上げを支援した86社の1つであったときから、ブロックチェーン技術を採用している。
ビットコインを支持する人が多い理由とは
銀行は金融危機後にビットコインが登場して以降、主にビットコインを敬遠してきたものの、テクノロジー愛好家、政府の金融政策に不信感を抱くリバタリアン(自由主義者)、価格変動に惹かれる投機家がビットコインを支持している。
インフレ率は米国連邦準備制度理事会の目標である2%を依然として大幅に上回っており、金利は5%を超えると予想されており、同CEOは2023年の米国経済について悲観的な見方を示している。同CEOは、世界経済に対する最大の脅威の1つはロシアとウクライナの間の紛争であり、これにより供給ラインが混乱し、世界のエネルギーコストが上昇していると指摘している。