インド、戦略的パートナーシップを通じてフィリピンとのデジタル関係を強化

インドとフィリピンがデジタル関係を強化

フィリピンのフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領がインドを公式訪問した際、インドとフィリピンは75年にわたる外交関係を戦略的パートナーシップへと格上げした。

日本語訳:
マルコス大統領と私は、インドとフィリピンの二国間協力、地域および世界情勢について幅広い協議を行いました。議論の重要な部分は貿易促進でした。IT、ヘルスケア、自動車、鉱物、宇宙、科学といった分野にも大きな可能性があります。防衛・安全保障分野における協力の拡大も、非常に歓迎すべき進展です。

歴史的と言える今回の合意は、防衛、貿易、研究、技術、デジタルイノベーションといった分野における協力強化を目指し、13の二国間条約を締結することで正式に締結された。この合意は、両国がそれぞれの地域および世界における課題解決に協力し、デジタル移行を安全かつすべての人にとって開かれたものにしていくというコミットメントを示している。

安全で包摂的なデジタル変革への切迫した要請を受け、両国は、強固なサイバーセキュリティとデータ保護基準に根ざした、電子政府、金融包摂、そして強靭なデジタル公共インフラの開発における協力を優先していくという。インドのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相は、この協力がいかに強固で多様であり、両国の相互関係をどのように変える可能性があるかを強調した。

デジタル変革の核心

デジタルインフラと接続性への重点は、今回の協力の重要な側面です。両国は、電子政府、金融包摂、そして災害にも耐えうるデジタル公共インフラのための強固なサイバーセキュリティとデータ保護規制を重視している。

国家データ主権の向上に向けて、インドはフィリピンの主権データクラウド基盤構築のためのパイロットプロジェクトを支援。また、デジタル技術協力に関するMoU(覚書)は、安全なデジタルシステムの構築、サイバーセキュリティに関する啓発、国境を越えたイノベーションハブの促進を目指している。

サイバーセキュリティ向上とデジタル脅威への対策

進化を続けるインドとフィリピンの戦略的パートナーシップに新たな弾みをつけるため、安全保障協力はサイバーセキュリティ分野にまで拡大しており、サイバー犯罪、テロへの技術利用、金融犯罪といった新たな問題が蔓延しているデジタル世界においても、安全保障協力を拡大して行く構えだ。

テロ対策に関する共同作業部会は、定期的に会合を開き、政策の議論、能力構築、デジタル公共基盤と重要情報の保護に関する情報共有をしていく。最近の世界的なサイバー攻撃は、これらの措置がいかに必要であるかを示しており、両国は、サイバーセキュリティ対策の強化と協力を通じて、高度なサイバー脅威に先手を打つことを目指していく。

公式声明によると、両国は、サイバー犯罪、テロへの技術悪用、金融犯罪といった新たな課題に対処するため、テロ対策に関する共同作業部会の定期会合を通じて取り組みを強化。サイバーセキュリティ、デジタルガバナンス、そしてAI(人工知能)、金融技術、デジタルフォレンジック、コンピュータ緊急対応チーム(CERT)の連携といった新興技術分野における協力の深化も計画。これには、デジタル公共インフラと重要情報保護に関する政策対話、能力構築、知識交換が含まれる。

フィリピンにとって、インドとの連携は、他の主要経済大国に対する戦略的なカウンターバランスとなり、インドにとっては、東南アジアにおける存在感を拡大し、多極化したアジアという戦略的ビジョンに沿ったものとなる。今回締結された戦略的パートナーシップは単なる象徴的なものではなく、ますます複雑化する地政学的・技術的環境の中で両国が歩みを進める上で、タイムリーかつ重要な利益の一致を示すものとなっている。