米国の2つの州でNFTカジノの排除命令が下される
米国・アラバマ州とテキサス州の規制当局は、サンドベガスカジノクラブに対し、NFT(非非代替性トークン)カジノの閉鎖を命じたことが分かった。
米国の2つの州のセキュリティ規制当局は、NFTを提供するオンラインカジノに対して排除措置命令を出した。ASC(Alabama Securities Commission=アラバマ州証券委員会)は、Sand Vegas Casino Club(サンドベガスカジノクラブ)に対して排除措置命令を提出したと報告。また、テキサス州証券委員会は、排除措置命令を提出し、この件に関する独自の解説を発表した。
アラバマ州証券委員会は発表のなかで、サンドベガスカジノクラブがメタバースの仮想カジノの開発に資金を提供するためにNFTを販売したと述べており、これらの行動は、違法証券の提供と不正投資スキームを構成すると述べている。告発はカジノの運営者であるマーティン・シュワルツバーガー(Martin Schwarzberger)氏とフィン・ルーベン・ワーンケ(Finn Ruben Warnke)氏にも及んだ。
また、規制当局はカジノのセキュリティが今年初めに危険にさらされたと警告。ソーシャルメディアのなりすまし攻撃により、1月にプログラムの投資家から50 ETH(約1,950万円)が盗まれている。
NFT運用は継続できる
今回の命令は、カジノ運営者が投資家に彼らのNFTは証券として規制されていないと誤って伝え、証券法はNFTに適用されないと誤って主張していると指摘している。
現在、事業者は規制の試みを「妨害するための計画を考案している」と報告されており、オペレーターは“幻想的な機能”を用いて、新しい言葉(用語)で計画を説明している。サンドベガスカジノクラブは4月14日の時点でも稼働しており、NFTも引き続き流通している。なお、大手NFTマーケットプレイスのOpenSeaは、最後の転送が14日午後8時36分UTC(※日本時間:16日の5:36)に行われたと報告している。
NFTに対する規制措置
違法な仮想通貨活動に対する規制措置はすでに一般的なものになりつつあるものの、NFTスキームに対する措置はまれである。
NFTが関係するケースは、2022年3月、DOJ(Department of Justice =米国司法省)はFrostiesNFTの作成者を詐欺で起訴したほか、2月には英国の税務当局が脱税事件でNFTを押収している。NFT業界が成長するにつれ、規制当局は同様のケースを追求する可能性があり、ブロックチェーン分析会社Chainalysisによると、NFT市場の価値は2021年に400億ドル(約5兆586億円)を超え、急成長している。