ビットコイン先物提供のBakkt、IPO(新規公開株)を計画

Bakkt(バックト)、SPAC取引で合併交渉へ

大手メディアのブルームバーグの報道によると、NYSE(ニューヨーク証券取引所)の親会社であるICE(インターコンチネンタル取引所)が設立したデジタル資産会社のBakkt(バックト)は、SPAC取引(※1)を通じてIPO(新規公開株)を計画していることが分かった。
(※1)SPAC取引(スパック=Special Purpose Acquisition Company:特別買収目的会社)とは、日本では現時点ではまだ認められていない形態ではあるが、特定事業を持たない、いわゆるペーパーカンパニーで、IPOによって投資資金の調達をし、未公開会社・事業の買収のみを主な目的とした投資ビークル で、IPO によって投資資金を株式市場から調達する取引を指す。

ブルームバーグが報じた内容によると、Bakktは、ブランクチェック会社(※2)のVPCインパクトアクイジションホールディングス(VPC Impact Acquisition Holdings)との合併を通じて公開するための段階的な交渉を進めているという。来週発表される可能性の高いこの取引は合併が成立した場合、合併後の事業体の価値を20億ドル、約2,000億円以上にするとみられている。
(※2)ブランクチェック会社とは、SPAC取引の性質上、上場時にどの会社を買うのか不明なことから、ブランク・チェック・カンパニー=白紙の小切手会社と呼ばれている

Bakktは、ビットコイン先物やオプションなど、デリバティブ製品で仮想通貨市場で広く知られており、ポイントやビットコインにまたがる幅広いデジタル資産向けの小売アプリを開発してきたことでも広く認知された機関投資家向けの商品を手掛ける企業だ。Bakkt Volume Botによると、同取引所の先物は、過去1週間で2億8600万ドルの取引量をもたらしている。

ブルームバーグによると、SPACはビクトリーパークキャピタルと提携。2020年に設立され、元アンタレスキャピタルの共同CEOであるジョン・マーティン(John Martin)氏が率いている。なお、今回の合併の報道に際して各社関係者は現時点でコメントを控えている。

また、今週初めのジョージア州の決選投票で敗れた2人のうちの1人であるケリー・レフラー(Kelly Loeffler)上院議員は、バックトの創設CEOであった事も報じられている。