香港SFCによって仮想通貨取引所が変わる!?
11月3日(火曜)、ロイターの報道によると、香港は証券を取引するかどうかにかかわらず、すべての仮想通貨取引プラットフォームを規制することを要求すると、市の証券監視委員会が語ったと報じた。
香港SFC(Securities and Futures Commission=証券先物委員会)は以前、仮想通貨取引プラットフォームのオプトイン(※1)方式を導入していたものの、これによって一部取引プラットフォームが規制レーダーから隔離して動作することが可能になったとSFCのアシュリー・アルダー(Ashley Alder)CEO(最高経営責任者)は指摘し、アプローチ方式を変更することを述べた。
(※1)オプトイン(opt in)とは、ユーザーが宣伝や広告などの情報を受ける際、もしくは自らに関する情報を利用される際などにおいて、事前にパーミッション(許諾)を求めることを指す。
アルダー氏は3日に(火曜)開催されたフィンテックウィークイベントで、「セキュリティトークンを取引しなくても、すべてのプラットフォームに要件が適用される」と述べた。現在、世界各国の金融規制当局では、仮想通貨業界を規制すべきかどうか、どのように規制すべきかをまだ評価中であり、投資家保護やマネーロンダリング(資金洗浄)防止は特に懸念事項となっている。
日本では平成29年4月1日からすでに金融庁によって仮想通貨取引所は登録制度が設けられており、無登録での営業はできないなどの規制が実施されている。また、日本以外のアジア各国をみてみると、シンガポールなど、アジア各国の金融当局は、すべての仮想通貨取引プラットフォームを規制することを要求しているライセンス制度を義務化している。
一方で、香港はこれら各国とは対照的に、香港SFCによって昨年、仮想通貨取引プラットフォーム専用の規制フレームワークを立ち上げたものの、ビットコインのような仮想通貨やトークン以外に、証券または未来として公式に分類された資産を取引するプラットフォームに限定されており、近隣諸国の対応とは異なっている。アルダー氏は次のように述べている。
これは重大な制限で、現在の立法の枠組みでは、プラットフォームオペレーターが規制レーダーから完全に離れて運営することを本当に決めた場合、取引されている仮想通貨がセキュリティの法的定義の範囲内にないことを確認するだけでそれを行うことができる。
香港では、Huobi、OKEx、BitMexなどの世界展開で成功したトップクラスを含む複数の仮想通貨取引所が運営されているが、多くは既存体制のライセンスは申請しないことを選択しているという。