中国深セン、3回目CBDCテストで約3億円相当のデジタル人民元を付与

深セン市が3度目のデジタル人民元テストを開始

中国・深セン市は、CBDC(中央銀行発行デジタル通貨)、デジタル人民元の実証実験テストの一環として、2,000万元、約3億円相当を市民へ付与したことが深セン市公式ホームページで分かった。

当メディアNEXTMONEYでもこれまでに、昨年10月12日付の「中国深セン市、約3,200円相当の「デジタル人民元を配布」で実証実験を開始」、11月23日付の「中国、第2回目のデジタル人民元の無料配布テストを開催」などで報じた様に、中国では過去2度のデジタル人民元の実証試験を実施している。

そして、大みそかである2020年12月31日に深セン政府は、100万個の“赤い宝くじ”で地元の住民に3度目のデジタル人民元配布を発表した。今回のパケットは200元とこれまで同様に、約3,000円ずつ配布される。公式発表によると、申込期間は1月1日の0:00から1月4日の10:00迄。先着順ではなく、抽選で宝くじに当選した市民は、深センの10,000軒以上のレストランやスーパーマーケット、小売り店舗などで1月7日8時からデジタル人民元が配布され、1月17日24時まで有効とのこと。

これまでのデジタル人民元との変化について

2020年10月、深セン市は約3,000軒の地元店舗でデジタル人民元を使用できた5万人の住民が利用できる、約1億5,500万円相当の赤い宝くじを通じて、中国初となる「市」全体のデジタル人民元テストを実施した。

デジタル人民元実証試験プロジェクトに参加していた銀行はこれまで中国産業商業銀行、中国農業銀行、中国銀行、建設銀行の4銀行であったが、今回から新たに郵便貯蓄銀行と通信銀行の2銀行が追加された。中国メディアの北京ビジネスデイリー(北京商報)の記者は次のように述べている。

個人的な申請プロセスの経験に関しては、基本的に最初から変更はない。

Sack ResearchInstituteのスー・シャオルイ(蘇筱芮)主任研究員は、深センでの中央銀行デジタル人民元の変化は、同プロジェクトの着実な進展の重要な兆候であると考えていると同メディアは報じている。また、Suning フィナンシャルリサーチインスティテュートフィナンシャルテクノロジーリサーチセンターの孫揚(サン・ヤン)主任研究員は次のように述べている。

深セン市は、中国の特徴を備えた社会主義のパイロットデモンストレーションゾーンである。中央銀行デジタル通貨研究所は、深センに特別な金融技術会社も設立しており、中央銀行が深センを2度目に選んだのも当然です。

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2020.10.12

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