人気クリプトヘッジファンドが閉鎖
イーサリアム(Ethereum/ETH)をショートさせることで知られるクリプトヘッジファンドであるテトラス・キャピタル(Tetras Capital)が閉鎖されたことが分かった。
問題を直接知っている匿名人物がCoinDeskに語った内容として、テトラス・キャピタルは2017年のローンチ以来約75%の損失が計上されたことで、現在は順次投資家へ資金が還元されているという。
最盛期には30億近い利益を得ていたテトラス・キャピタルは、アルトコインに特化したヘッジファンドとして投資家の間に広く浸透。アルトコイン取引を目的に立ち上げられ、2018年5月、仮想通貨が約700ドルで取引されていたときに、ファンドはETHをショートさせたことで一気に知名度が上昇。7月28日本時間16時の時点でのCoinMarketCapでETHは、318.12ドル(約33,000円)前後で取引されている。
証券取引委員会に提出された規制当局の申請書によると、ニューヨークに本拠を置くファンドは、一時に約3,400万ドルの資産を管理。同ファンドには、申請ごとに少なくとも10万ドルを投入する約65人の投資家がいたと報告されている。
同ファンドは、元レイモンドジェームス(Raymond James)アナリストのアレックス・サンナーボー(Alex Sunnarborg)氏と、JPモルガン、ゴールドマンサックス、ドイツ銀行などの投資銀行の元アナリストであるブレンダン・バーンスタイン(Brendan Bernstein)氏、トーマス・ガランボーン(Thomas Garrambone)氏によって管理されました。
テトラスキャピタルの閉鎖は、イギリスを本拠とするプライムファクターキャピタル(Prime Factor Capital)が先週閉鎖した件に続いて2軒目となる。同国で最初に認可された仮想通貨ヘッジファンドは、仮想通貨の激しい値動きに、機関投資家を引き付けることができなかったようだ。3月には、アダプティブキャピタル(Adaptive Capital)も大きな損失を計上したため、閉鎖している。
CRYPTO FUND RESEARCHから画像引用
Crypto Fund Researchによると、仮想通貨に焦点を合わせたヘッジファンドは、2017年と2018年に急激にローンチされているが、2019年には2018年の1/6程度にとどまっていることがグラフからも読み取れる。昨年には約70のヘッジファンドが閉鎖され、調査会社によると、現在は355のクリプトヘッジファンドが生き残りをかけ、奮闘していることが分かっている。