元リップルCTO、XRPがスマートコントラクトを持たない理由を説明

スマートコントラクトを持たない理由

リップル(Ripple)のCTO(最高技術責任者)、デビッド・シュワルツ(David Schwartz)氏が進行役を務めるブロックスター(BlockStars)の最新エピソードが海外メディアによって公開された。

ColiのCEOであり、BitcoinJSの作成者でもあるステファン・トーマス(Stefan Thomas)氏は、XRP Ledgerがスマートコントラクトをサポートしていない理由について説明している。

不要な機能

最近よく耳にする“スマートコントラクト”をいったい、どれだけの人々が目にした事があるだろうか。おそらく、ないと思われるが、この大注目されているスマートコントラクトの問題の1つは、コードがまだ非決定的な結果をもたらす可能性がある。決済手段としてのXRPのユーティリティの中核だが、スマートコントラクトを作成するためのプログラミング言語を選択することも課題の一つであることはすでに承知の通りである。

人々が使い慣れた言語を利用してスマートコントラクトを書いてほしいと考えたトーマス氏らは、まだまだ実験に追いやられていた最中に、XRP Ledgerにスマートコントラクトを統合させることによって、より複雑で難解なトランザクションシステムを導入することに反対の意見を表明していた。2013年以降は、スマートコントラクトをホストするため、オープンソースプラットフォームであるCodiusに取り組んでいる。

ウエブサイトを作成して育ってきたトーマス氏は、当初はフリーランサーとして働き始めたと明かしている。そこでは、手数料をかけすぎない実行可能な支払いソリューションを見つけるのが、かなりの試練になったと後に語っている。その後、同氏はビットコインブロックチェーンのジャバスクリプト(JavaScript)の実装であるBitcoinJSを作成している。サトシ・ナカモトによって、ビットコインが最初に主流になるとは想像もしていなかったが、実装可能にすることに集中していたと述べている。

スマートコントラクトが主流にならなかった背景には、アーキテクチャが現実世界のユースケースの複雑さを処理するのに十分に柔軟ではなかったという仮説をトーマス氏は立てている。イーサリアムを例に見てみると、イーサリアム自体は優れた概念実証だが、イーサリアムのフォークであっても他のシステムと統合することは困難だ。堅牢な統合がなければ、概念実証以上のものを構築することは不可能だったとブログの中でも述べている。

2013年4月までに、アーキテクチャとプロトタイプができ、Googleのネイティブクライアントを使用してRippledで直接安全にコントラクトを実行する、ripplevmと呼ばれるサンドボックス化された実行環境を用意している。Rippleが提供する一般的なキー/値ストアと合わせ、これは当時有望なアプローチのように思われたが、同年後半、若い開発者がリップルオフィスに来て、スマートコントラクトについての議論に参加していた。その若い来訪者の名前はヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏であり、後にイーサリアムにリップルのキー/値のデータ構造を組み込ませている。

では、なぜトーマス氏らはプロトタイプをリリースしなかったのか、同氏はこの質問をよく尋ねられると明かしており、当時はスマートコントラクトへの関心の量を過小評価していたと述べている。

アーキテクチャを構築することは困難に映ったトーマス氏は、コミュニティを引き離すのに十分な熱狂的なコミュニティを引き付けたことに対して、ヴィタリック氏とその友人は嫌いだと皮肉っている。

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