金融関係者の7割がCBDCを法定紙幣の未来と考える

Ripple調査でCBDCが法定通貨を変える未来

ブロックチェーン企業であるRipple(リップル)の最新調査「NewValueReport」によると、金融セクターのトッププレーヤーらは、CBDC(中央銀行発行デジタル通貨)が最終的に法定通貨に取って代わると信じており、7割以上が社会的変化を引き起こし、法定通貨の未来と考えている事が分かった。

同社の最新調査によると、世界中の5つの地域にまたがる調査対象者の7割以上が、CBDCが重大な社会的変化を引き起こす可能性があると考えている事が判明。多くの人が、CBDCが2027年までにクレジットへのアクセスや金融包摂などのさまざまなメリットを提供できると考えており、調査に参加した1,600人の回答に基づくと、CBDCはアジア太平洋地域で最も人気があることが分かった。

中国のアペックス銀行が初のCBDC立ち上げの可能性大

アジア太平洋地域では、中国のアペックス銀行(Apex Bank)が最初にCBDCを立ち上げる可能性が最も高いという。

最近、CBDCのテストパイロットを他の都市に拡大することを発表しており、回答者のうち、中央銀行の幹部の85%は、自国が2026年までに自国のデジタル通貨を発売すると考えていることも判明。金融包摂以外では、これらの幹部の44%が、CBDCテクノロジーがより優れた国内競争力を提供すると考えているほか、43%は、CBDCテクノロジーによって決済システムの効率が向上すると確信しているとのこと。これらの経営幹部の42%は、テクノロジーがグローバルなイノベーションを強化すると信じているという。

CBDC展開の障壁

最新の調査では、CBDCを持つことのメリットを強調しているが、多くの中央銀行は、自国のデジタル通貨を立ち上げる際にさまざまな障壁に苦しんでいるのも事実である。

これらの障壁には、セキュリティとプライバシーの保護、本人確認、オフラインアクセスが含まれており、多くの人がCBDCからの変革がタイムリーであることを期待していると考えられているとのこと。また、10年以内に法定紙幣からCBDCへの切り替えのメリットを享受し始めることを望んでいるものの、中央銀行がCBDCをリリースする前に、多くの作業が必要であることを理解しなければならない。

また、Rippleの最新調査は、ほとんどのアペックス銀行がCBDCの展開にいくつかの課題を抱えていることを認めており、すべての中央銀行が会議を開催し、これらの課題に対する可能な限りの解決策についてブレインストーミング(※1)を実施する必要があることを示唆。議論にはすべてのCBDC間の相互運用性も含まれなければならないことを強調している。

(※1)ブレインストーミングとは…
集団思考、集団発想法、課題抽出、ブレストと呼ばれる一種のアイデアを生み出すことを目的とした会議方式の事。

USDT(United States Department of the Treasury=米国財務省)は、各国が世界中のCBDCの規制の枠組みについて話し合えるよう、各国間の協力改善を提案。調査結果は、CBDCへの関心の高まりを示す他の調査結果と一致している。

ほとんどの規制当局の仮想通貨規制には、CBDC規制も含まれており、一般的な仮想通貨市場の低迷が続くなか、一部の地域では、この低迷がCBDCを展開するのに最適な時期であると示唆している。しかし、彼らはCBDCについて、利益を提供しないプライベートデジタル資産とは対照的に、顧客保護を提供するデジタル資産として提示できると主張している。

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