FBI逮捕されたイーサリアム財団の研究員が釈放

FBI逮捕されたイーサリアム財団の研究員が釈放

イーサリアム財団の研究員であるVirgil Griffith容疑者が間も無く釈放されたようだ。Griffith容疑者の弁護士であるブライアン・クライン氏がツイッターで明らかにした。

Griffith容疑者は今年の4月に北朝鮮で開かれた「平壌ブロックチェーン・仮想通貨カンファレンス」に参加し、マネーロンダリングについてアドバイスを行ったとして、11月30日に国際緊急経済権限法(以下:IEEPA)に違反したとしてニューヨーク州検事とFBIに逮捕されていた。

また、司法省によれば、米国務省は北朝鮮への渡航を許可していなかったという。クライン氏によれば、Griffith容疑者は法廷で真実が明らかになることを望むとコメントしているとのこと。IEEPAに違反したことで、Griffith容疑者は最大で20年の禁固刑に処される可能性がある。Griffith容疑者はイーサリアム財団でも、特別プロジェクトの責任者だった。

ヴィタリックなど、コミュニティは擁護

イーサリアムの考案者でもあるヴィタリック・ブテリン氏は、財団側は渡航について費用の援助なども行っておらず、いっさい関与していないことを前置きしたうえで、Griffith容疑者をツイッターで擁護した。具体的には、Griffith容疑者がカンファレンスで提供した情報は、すべてインターネット上でオープンになっているというものだ。また、コミュニティ内からもGriffith容疑者を擁護する声が挙がっている。

Griffith容疑者の弁護士のクライン氏は、ビットコイン企業家チャーリー・シュレム氏とウィンクルボス兄弟の裁判も担当した経験があり、仮想通貨関連の裁判では長けている。この時には、シュレム氏とウィンクルボス兄弟の和解案を成功させている。

イーサリアムはハードフォーク間近

財団員の逮捕を受けても、イーサリアム価格にはほとんど影響が出なかった。恐らく、イーサリアムのコミュニティやプロジェクトを揺るがすほどの事態とは捉えられなかったのだろう。業界のキーマンでもあるブテリン氏が、財団側が関与していないことを明確に表明したことも、投資家やコミュニティの安心感に繋がっていると思われる。

イーサリアムでは12月8日に、最終アップデート「セレニティ」に向けたハードフォーク「イスタンブール」が予定されている。国内取引所では、ハードフォークに向けた対応方針が随時発表されている。