バイナンス、仮想通貨テゾスのステーキングを発表|手数料は無料

バイナンス、仮想通貨テゾスのステーキングを発表|手数料は無料

仮想通貨取引所バイナンスは12月3日、仮想通貨テゾス(XTZ)のステーキング報酬を「手数料無料」でユーザーに付与することを公式発表で明らかにした。テゾスのステーキング報酬に関しては、コインベースやGate.ioでも付与しているが、どちらも25%と33%の手数料を取っている。

手数料無料で付与を行うバイナンスの試みは、これら2つの取引所と比較すると驚きと言えるだろう。一方で、この無料サービスがいつまで続くかは定かではない。バイナンスではその他にも、VeChainやTronなどのステーキングサービスも提供している。

新規ユーザー獲得が狙いか

バイナンスは、ステーキングサービスで利益を得ようとしていない。こうした手数料無料の試みは、ユーザーのコスト面を負担することで新規獲得に結びつけ、新規ユーザーの獲得が狙いだろう。バイナンスにおけるテゾスのステーキング報酬は、1月20日が初回の計算日となり、翌月に付与される予定だ。

上述したように、米取引所のコインベースでもテゾスのステーキングサービスを提供しているが、元々は機関投資家向けのサービスだった。コインベースではUSDCの利子付与も年率1.25%で毎月提供することを発表している。仮想通貨を保有することで得られるユーザーメリットを増やすのが、取引所全体の現在のトレンドであり、他社との差別化方法であることも伺える。

コインベース、仮想通貨XTZ(テゾス)のステーキング開始で「30%」上昇

2019.11.07

ステーキングとは?

ステーキングとは仮想通貨の保有率や利用頻度など、コミュニティへの貢献度合いに応じて報酬を付与する仕組み。詳しい内容はコンセンサスアルゴリズムに基づくため、仮想通貨ごとに異なる。有名なアルゴリズムでは、「PoS(Proof of Stake)」が挙げられる。Stakeには日本語で「杭(くい)」の意味があり、もともとは経済用語として使われていた。土地の所有者が「杭(くい)」を刺すことで、自分の所有権を明確にすることが語源となっている。

また、PoSに関してはビットコインなどで採用されているPoW(Proof of Work)よりも、エネルギー効率が良くセキュリティも高い。現時点では、仮想通貨イーサリアムが独自PoSへの最終アップデート「セレニティ」を控えている。また、ユーザーの仮想通貨利用も促進できるため、コミュニティの活性化が見込めるだけでなく、保有率が高まることで価値の減少も起こり辛くなる。