米国政府、仮想通貨企業への「厳格なルール施行」を計画

米国政府、仮想通貨企業への「厳格なルール施行」を計画

米財務省の金融犯罪取締ネットワーク(以下:FinCEN)が、仮想通貨企業に厳格なルール施行を計画していることが明らかとなった。ロイター通信が報じたところでは、FinCENの局長であるKenneth Blanco氏は、ニューヨークに拠点を構える企業Chainalysisのカンファレンス登壇時に、仮想通貨企業は顧客情報の共有とAML規制を遵守すべきだと見解を示した。

トラベルルール遵守を求める

Blanco氏は仮想通貨企業への規制に関して、企業側がトラベルルールに則って活動することを求めている。トラベルルールは、マネーロンダリングに関する金融活動作業部会(以下:FATF)が定めたルール。仮想通貨取引所などのサービスプロバイダが送金先や送金元に関連した顧客情報の共有を規制機関と行い、マネーロンダリングの防止に務めることが求められる。

トラベルルール自体は仮想通貨のみに適用されるものではなく、法定通貨やその他の金融資産にも適用されるものだ。Blanco氏の発言は以下のようになる。

「トラベルルールは、CVC(法定通貨の代替)にも適用される。利用者もそれを遵守すべきであるし、私たちもそれを期待している。(中略)あなたがショックであろうが関係ないことだ。このルールは新しいものではなく、昔からあるのだから。」

FinCENがトラベルルールを導入したのは1996年だ。その後、2013年と今年5月の2度に渡って修正している。どちらの修正理由も、仮想通貨が登場したことが、大きく影響している。

AMLに則った国際的な取り締まり

Blanco氏は過去にも、AMLの規制について言及した場面がある。ジョージタウン大学での講演時、AMLによって薬物の違法販売や人身売買などの資金供給を断つことができると見解を示した。

AMLに関して、規制を設けて厳しい取り締まりを行うのは米国だけではない。英国の規制当局である金融行為監督機構(FCA)は、仮想通貨に関連したビジネスの調査が、2018年以降に74%まで大幅に増加したことを報告している。