米銀行バンク・オブ・アメリカ、R3のCordaを利用した貿易金融コンソーシアムに参加
バンクオブアメリカが、コルダの分散型台帳ネットワーク「マルコポーロ」のネットワークに参加する事を今月9/19に発表した。同社は「マルコポーロ」のネットワークを駆使して貿易金融の透明性,作業効率の向上を促進していく予定だ。
マルコポーロとは?
マルコポーロとは、ニューヨークに拠点を置くDLT技術の開発とそのシステムの提供やコンサルを行う「r3社」が開発した、Corda(コルダ)というDLT技術を用いたプラットフォームを基盤とした貿易金融プラットフォームの名称の事を指します。現在はr3社を中心に、20社を超える金融機関が同一のコンソーシアムを組んでおり、日本からは三井住友銀行がコンソーシアムに参加している。開発背景には現在の貿易金融に蔓延る非効率性や、透明性の欠如などを改善することを目的としている。
基本的に国際貿易には様々なレイヤーの機関や団体が複雑に絡み合い、トランザクションの対象となる物も物資以外に、紙媒体の事務書類や、資金調達や国境間の送金事業など管理コストが膨大にかかるうえ、アナログの管理体制のため作業効率も悪化の一途を辿るばかりだ。
問題となっているプロセスをDLT技術で管理し、コストを削減する事で大幅な融資事業を生み出すことが期待される。
マルコポーロネットワークの取り組み
マルコポーロネットワークは企業や組織ごとの相互作用を最大限に発揮させる事を目的としています。今後も経験豊富な貿易金融およびテック企業間のコンソーシアムに参加する企業を増やし、よりネットワークを強固にしていくようだ。既に北米ではその存在感は大きいようで、バンク・オブ・アメリカのマネージングディレクターである、ダニエル氏は以下のようにコメントしている。
「マルコポーロネットワークは北米での存在感を高めており、世界最大かつ最も革新的な貿易金融銀行の1つに参加できることを非常に嬉しく思います。また、重要な市場の課題に対処し、ネットワークの範囲とエコシステムをより多くの企業顧客に拡大するためにバンクオブアメリカと協力することを楽しみにしています。」
マルコポーロネットワークの最大の利点は、リアルタイムの情報の共有化であり、トランザクション工程が複雑であればある程、その価値を遺憾無く発揮する。よって、様々な機関が入り混じるサプライチェーンや、貿易金融の領域においてユースケースが増えることはブロックチェーン業界全体の活性化にも大きく繋がると考えられます。
スタンダードチャータード銀行、ヨーロッパおよびアメリカ大陸の貿易責任者 マイケル・ブロンタミティス氏は今後の貿易金融のビジネスモデルについて以下のように発言している。
「貿易金融におけるデジタルコラボレーションの時代が到来しました。マルコポーロネットワークへの参加は、国境を超える貿易事業者のコンソーシアム形成を加速し、グローバルサプライチェーンにより資金を供給していく為の重要な要素であると考えています。」