米大手銀行ウェルズ・ファーゴ、ブロックチェーンシステムを発表

米大手銀行ウェルズ・ファーゴ、ブロックチェーンシステムを発表

2019年9月17日、米大手銀行ウェルズファーゴにおいて初となるブロックチェーンを活用した「ウェルズファーゴ・デジタルキャッシュ」の試験運用計画を発表した。社内決済に使われ、リアルタイムの国際間決済(他通貨決済)や、支店間送金に活用される。つまり取引所など外部でトレードされることはない。米ドルと価格連動するステーブルコインとなる。すでに米国カナダ間の資金移動テストは行っているが、本格的な試験運用は2020年予定。

ウェルズファーゴのイノベーショングループ責任者Lisa Frazier氏は、分散型台帳(DLT)はユースケースの可能性を秘めており、この技術を銀行に適用することで重要な一歩を踏み出すことになるため力を入れていると語った。ウェルズファーゴの国際間送金にサードパーティが必要なくなった分、コストと時間の節約になる。

どのブロックチェーン上で構築されるか

コインデスクの情報によれば、「ウェルズファーゴ・デジタルキャッシュ」はR3の企業向け有料バージョン「コルダ・エンタープライズ(Corda Enterprise)」上で構築されているという。ちなみに、JPモルガンの「Quorum」は、イーサリアムをプライベートフォークさせ、JPモルガン主導で開発してるプライベート型ブロックチェーンだ。

ウェルズファーゴ広報担当者Roger Cabrera氏は以下のように語っている。

「R3のコルダ・エンタープライズは、金融機関によって、金融機関のために設計されている。適切なデータの機密性コントロールを可能にし、銀行の取引量とスループットに応じてスケールし、ウェルズ・ファーゴの業界規制基準を満たす情報セキュリティデザインをサポートする分散型台帳ソリューションだ。」

DLT開発企業R3が開発したスマートコントラクト機能を持つCordaは、取引情報が外部に開示されないプライベート型。誰でも利用でき、開発しやすい(しかも低コストな)オープンソース。R3はSBIなど多くの企業や団体が参加するエコシステム。

ウェルズファーゴとは

1852年に設立。サンフランシスコに本社があり、7,600の拠点と13,000台以上のATM、ネットやモバイルバンキングといったサービスを展開している。米国では3世帯に1世帯が利用。国際取引のために32の国と地域にオフィスを構える。世界最大のビジネス雑誌Fortuneにおいて2019年アメリカ企業ランキングで29位にランクイン。

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