JCBがカウリーとの戦略的パートナーシップ契約を締結
日本発祥のクレジット会社であり、世界で5番目のシェアを誇るJCBが、カウリー株式会社と地域通貨等のトークンエコノミーの経済圏の構築のため業務提携を締結した事を先月8/30に発表した。
株式会社カウリーとは?
独自に開発したブロックチェーンを用いて即時決済可能なキャッシュレスシステムの提供と、企業や団体に導入する際のコンサルティング、企画の立案など多岐に渡り企業のブロックチェーンシステムの導入をバックアップしている。
主なサービス一例
- 将来的なブロックチェーン技術導入に向けた検討、開発、コンサルティング、及び実証実験の実施
- ICO(Initial Coin Offering)による資金調達のサポート
- 取引所への暗号通貨上場サポート
- 地方自治体や決済事業者とのコネクションを活かし、地方創世に関する企画立案や各種サービスの提供
独自のブロックチェーンシステムの名称は「カウリーチェーン」という。
従来のパブリックブロックチェーンは不特定多数のノードで取引の承認を行なっていた為、トランザクションが承認され取引が成立されるまでにかなり時間を要してい為、実利用には適していなかったとされる。しかし、「カウリーチェーン」では発行者が管理する中央のサーバーのみが承認を行う事でトランザクションの待ち時間を減らし、低コストで運用する事が可能になった。
JCBの取り組み
今回の発表を皮切りに今後は、ブロックチェーン決済システムの開発だけでなく、ステーブルコインの発行から総合的なコンサルティングまでを手掛けるトークンエコノミーのプラットフォーマーとして展開予定である。
近年クレジットカード会社では、ブロックチェーン技術を活用し、カード会社同士でコンソーシアムを組むケースが非常に多い。これは、クレジットカードを利用する際の不安要素である、不正利用を防止し、顧客の信頼をより強固にするための役割も果たす。
業界内のカードコンソーシアム
これらの阻害をクリアにし、キャッシュレス化を促進させるため、過去にJCBはSBIホールディングス、三井住友カードら、金融機関9社と ペイメントカード業界コンソーシアム(カードコンソーシアム)を設立している。取り組みとしては、ブロックチェーンで取引の管理と情報を共有するだけでなく、AI(人工知能)などの最新技術を駆使し、顧客から得たビックデータを元に新しい金融インフラを検討していくことである。インターネットの普及で情報量も増えた分、犯罪の手口も多様化する一方、リアルタイムで同時に情報を共有できるブロックチェーンのメリットは非常に大きい。
今後の金融業界
また、「Libra」のような強力な資本とマーケットを確立した企業同士のコンソーシアムが世界では次々と確立されている。LibraコンソーシアムにはVisaとMastercardも参加企業として名を連ねていることから、国の信用で成り立つ法定通貨を基盤とした経済圏から、地域やコミュニティごとに確立された価値を取引する時代に差し掛かっている。Libraは現在、通貨としての公平性を国や議会から問われているが、テクノロジーの発展から考えるに、この流れは止められないであろう。
JCBは日本に根ざしたブランドであるため、国内の加盟店も多く、顧客データを多く保有していることから、今後は日本独自の経済圏の発展に繫がる新たなプラットフォームの誕生に期待したい。