BlockstackのSTOに3つの機関投資家が参加

Blockstack、SECへ公式文書の提出

機関投資家によるトークン購入で、「仮想通貨による資金調達」への見方は変わるか。

11日、Blockstackは、5000万ドル相当のトークンを発行するにあたり、米証券委員会(SEC)に公式文書の提出を行ったことをTwitterで明らかにした。

また、BlockstackがSECに提出した文書には、ハーバード・マネジメント・カンパニー(Harvard Management Company)、ラックス・キャピタル(Lux Capital) 、ファンデーション・キャピタル(Foundation Capital)の3団体が、合計95,833,333トークンを購入したことが明記されているようだ。

※Blockstackは、Dapps開発プラットフォーム開発を行っている米企業。

同社が開発を進めているプラットフォームは、既存のDapps開発プラットフォームとはまた方向性が異なる。

Dapps開発プラットフォームとしては、イーサリアムが現在最も有名だろう。

イーサリアムは、スマートコントラクトを実装することにより、様々な取引を非中央集権下においても安全に履行させることを目指している。

一方、Blockstackが開発を進めているプラットフォームは、アプリケーションに関するデータの保持を分散化することを試みている。

例えば、LineなどのメッセンジャーアプリやFacebook・TwitterといったSNSアプリは、それぞれ運営元がそのユーザーデータを管理している。そのため、それぞれでアカウントを作成し、サービスを利用することとなる。Blockstackのプラットフォームでは、こうした手間を省き、アカウント1つで様々なアプリケーションを利用することが可能となり、インターネットの新たなカタチを提供しようとしている。

STOとICO

今回、同社が実施を予定しているSTO(セキュリティ・トークン・オファリング)は、ICO(イニシャル・コイン・オファリング)に代わるものとして最近注目を集めている。

新たな資金調達方法として注目を集めていたICOだが、法が明確に整備されていないという現状から、詐欺の温床となっていると指摘されることも多い。

そんな中、トークンを既存の法に準拠させて発行するSTOと呼ばれる方法が出てきた。つまり、法に認められた有価証券として発行してしまおうというものだ。STOにより発行されたトークンは、セキュリティートークンと呼ばれる。

※セキュリティートークンは、有価証券をデジタルで実現したものの総称である。

ICOは、法規制が不明確であったからこそ、その簡便さから、スタートアップの資金調達方法としてその知名度を高めた側面も大きいだろう。STOは、法律に準拠したカタチで行われるため、結果としては、今まで行われてきた有価証券の発行と遜色ない。ICOに魅力を感じていた起業家にとってはメリットを感じないかもしれない。

しかし、現状は、ICOに対して懐疑的な見方をする人が多いのも現状だ。

STOという”正式な”カタチでトークンを発行し、それを機関投資家が購入することは、「仮想通貨及びトークンによる資金調達」への見方を変えるきっかけとなる可能性はある。

今回のBlockstackのトークン発行にあたり、購入者としてリストアップされたハーバード・マネジメント・カンパニーは、機関投資家として有名だ。

仮想通貨・トークンなどの法整備が着々と進められていく中で、こうした機関投資家の動きは今後も注目を集めるだろう。