香港SFCが仮想通貨に関する新規制を発表|仮想通貨取引所ではハッキングなどに対応する保証保障整備が必要に

現在多くの国で仮想通貨に関する法的枠組みが新たに設けられて行っているが、アジアにおいては香港やシンガポールといった以前より仮想通貨に対し前向きな姿勢を示していた国々が仮想通貨に関した法的枠組みや規制を次々に打ち出していっている。

この新たに法規制や基準を積極的に打ち出していくという流れは、かねてから不透明性が指摘っされていた仮想通貨業界において、その透明性を向上させるといった意味では、高く評価されてもいいと言えるだろう。

香港証券先物事務監察委員会の発表内容

今月香港のSecuriies&Futures Commission of HOng Kong(香港証券先物事務監察委員会)は、仮想通貨取引所や仮想通貨関連プラットフォーム、ファンドマネージメントを行う事業者対しての基準を発表した。

香港証券先物事務監察委員会では仮想通貨の投資には、多大なリスクがあることを念頭としており、仮想通貨利用者及び、投資家の保護を最優先に考え、今回新たな基準を設けたと考えられる。

仮想通貨利用者及び、投資家の保護を最優先とする基準の例を挙げると、一定期間後にICOでの投資も制限を行うことがある。これはICOにおける投資には詐欺的なものが多数あり、非常にリスクが高いとされているからだろう。

今回新たに制定された基準の中でも特に注目されているのが、ハッキングなどの被害によって仮想通貨取引所が所有する仮想通貨を東南及び、紛失した場合の保障制度である。

香港証券先物事務監視委員会では、保障制度を設ける必要性に関し以下のように発言している。

「仮想通貨に関するプラットフォームの運営者達は、利用者の資産がハッキングなどによる紛失及び、盗難のリスクに対応するため、プラットフォーム運営に関しては、今回制定された保険要綱に沿って運営していかなければならない。仮想通貨関連事業を行う事業者はそのプラットフォームのホットウォレットに保管されている仮想通貨に関しては100%の保障、またコールドウォレットに保管されている仮想通貨に関しても95%の保障を行う必要がある。」

世界の仮想通貨規制の現状

昨今、国内ではCoinCheckからXEMがハッキングによって盗難したり、韓国やインドなど世界中の仮想通貨取引所でハッキングによる利用者の資金が幾度となく機器にされたことを考えれば、今回制定された新たな基準は、今後安心して仮想通貨取引所を利用していくためにも必要不可欠と言えるだろう。

新たな基準が制定されていく中で、仮想通貨の保管サービスなどを提供し中国国内で100万ETHを保管し、仮想通貨保管管理サービスを提供するInVault社は、SFCによる「Trust Licence」を取得しており、来月から香港国内で完全自動のサービスの提供をスタートすることを発表している。

香港では今回新たに制定された基準だけでなく、仮想通貨に関するプラットフォームの運営に関しても、今後規制が制定されていくと考えられている。

また先日アジア圏内において、香港と並ぶ仮想通貨大国であるシンガポールの金融管理局も、仮想通貨に関するプラットフォームに関する新たな規制を発表している。

新たな規制や法的枠組みと聞くと、マイナスなイメージにとらえられることも多いが、新たに基準や法的枠組みが制定されることで、仮想通貨に関する法的な境界線が明確化されていくことは、仮想通貨に関する法的規制の透明性が増していくことでもあり、安心と信頼を得ることは、今後仮想通貨が更に普及していくためには避けて通れない道と言っても過言ではないだろう。