仮想通貨合法のタイで未承認の取引所に関しSECが注意喚起

今年5月に仮想通貨が合法となったタイでは、仮想通貨取引所運営に乗り出す企業や、トークンの発行を行う企業が急増しているようである。

タイの情報メディアであるCh3Thailandの報道によれば、韓国及び、タイのジョイントベンチャーである「Q Exchange」はタイ国内初となる仮想通貨の銀行をスタートするという触れ込みで自社のサービスを広告しているようである。このプラットフォームでは、ASEAN諸国における仮想通貨取引所の中核を担うことを目標に設定しており、Q ExchangeのGMは、「2019年までに全国30か所以上に支店を設置し、2019年度中には70か所に支店を増やすのが目標。」と発言している。

韓国の報道機関であるビジネスコリアが報じた内容によれば、韓国に拠点を置く仮想通貨取引所であるCoin25はタイのバンコクに子会社を設立し、タイ国内及び、ラオス国内に60か所以上の支店を設立する予定だという。また韓国のCorexfly社及とB&C社も提携し、タイ国内にDabit取引所を共同設立する契約を結んだそうである。他にもタイに拠点を置くMrc Bizはタイ国内でのICOを積極的に推し進めている。さらに韓国の大手仮想通貨取引所であるUpbitとBithumbの2つの仮想通貨取引所も最近になり、タイ国内での仮想通貨取引所の開設に関する計画を明らかにしている。

現在のタイ国内における仮想通貨に関する規制では、企業がタイ国内で仮想通貨関連事業を行う場合はタイにおける金融規制委員会である証券取引委員会(SEC)によって認可を受ける必要がある。現段階でSECがによって認可された事業者は仮想通貨取引所が6社あり、仮想通貨ディーラは一時的に1社のみとなっており、その他の仮想通貨関連事業者に関しては協議中となっている。

既にSECより認可を受けた仮想通貨取引所運営企業は以下の6社である。

  • Bitcoin Co. Ltd
  • Bitkub Online
  • Cash2coins
  • Satang Corporation
  • Coin As set
  • Southeast Asia Digital Exchange

また現在仮想通貨ディーラーとしての認可は、Coins.co.thが一時的に認可を受けているだけとなっており、新規の取引所やトークン発行元に関しては、まだ認められていないようである。

またタイの金融規制員会であるSECでは以前より違法な仮想通貨関連事業を行う、事業者やトークン発行者に対し警告をしてきていた。タイ及び、韓国のジョイントベンチャーであるQ ExchangeもSECからの認可なしに、仮想通貨取引所の宣伝を行い、利用者を募っているとしてSECからの指摘及び、広告と投資販売の停止通知を受けていたそうである。またSECはMrc Bizに対しても、タイ国内でICOの宣伝をSECの認可なしで行なっていたとして警告していた。

その一方で、タイSECの委員長を務めるRapee Sucharitaku氏は「11月中に少なくとも1個のICOポータルが承認され、12月中に開始となる可能性があるICOを承認していくとなるだろう。」と発言していた。

またタイでは以前より将来的にクリプトバレーとなることを目指しており、タイの税務局では脱税防止策などのためブロックチェーン技術を活用していくともしている。

タイ税務局、脱税防止などのためブロックチェーン技術の活用を発表

2018.11.14

タイ国内では今年中にICOも解禁されることとなっており 、今後もタイ国内での仮想通貨業界の動向には注目していく必要がありそうである。