CFTC、CMEの暗号資産無期限先物訴訟の棄却を裁判所に要請

CFTCがCMEの暗号資産無期限先物訴訟棄却を要請

CFTC(米国商品先物取引委員会)は2026年10月16日(金曜日)、コロンビア特別区連邦地方裁判所に対し、デリバティブ大手CMEグループが提起した暗号資産無期限(パーペチュアル)先物を巡る訴訟(事件番号:1:26-cv-02157、「CME対セリグ」事件)を棄却するよう求める31ページの準備書面を提出した。

CFTCは、CME自身が開示している取引高データを根拠に、同社が経済的被害を受けておらず、訴訟を起こす法的資格(原告適格)を満たしていないと強く主張している。

CMEの取引実績とCEO発言に見る実害の不在

CFTCは書面の中で、CMEのデジタル資産先物取引量が5月の承認以降むしろ増加傾向にある点を指摘した。

同社の報告によると、ビットコイン(Bitcoin/BTC)先物の月間取引枚数は5月の25万9,329枚から9月には26万7,693枚へ増大。イーサリアム(Ethereum/ETH)先物も32万6,981枚から37万8,292枚へと好調に推移している。9月の暗号資産関連の1日平均取引高は17万7,000契約、想定元本額86億ドル(約1.36兆円)に上り、新商品の登場によって既存市場から顧客が流出したというCME側の損害主張とは整合しない。

さらにCFTCは、CMEのテレンス・ダフィー(Terrence Duffy)会長兼CEO(最高経営責任者)が7月の決算説明会で「技術的な導入体制は整っているものの、顧客からの需要が存在しない」と語っていた発言を引用。法廷での損害主張と投資家向け説明の食い違いを厳しく追及し、単なる競争激化の可能性だけでは原告適格の根拠にならないと論じた。

金融商品の分類を巡る法的論争:先物かスワップか

この訴訟の根底には、満期日の存在しない無期限先物をいかに規制するかという定義上の問題がある。

CMEは、ドッド=フランク法およびCEA(商品取引法)に基づき、無期限先物は先物ではなくスワップとして分類・規制されるべきだと主張する。両者の分類によって証拠金要件、登録ルール、税務上の扱いが大きく異なるためだ。

これに対しCFTCは、双方がDCM(指定契約市場)で取引される限り市場での競争環境に本質的な差異はないと反論。「映画のジャンルをアクションからスリラーに変更してもストリーミングプラットフォームから消えないのと同様」と例え、分類の変更がDCMからの排除を意味するわけではないと強調した。

早期決着のリスクと市場拡大への懸念

裁判所が今案審理に入らず原告適格の有無のみで訴えを却下した場合、無期限先物の法的分類という核心的な問いは未解決のまま残される。アナリストからは、訴訟が長期化する間に無期限先物市場が拡大し続けることで、後から分類が覆った際の市場の混乱や巻き戻し手続きが極めて複雑化するとの懸念も示されている。

 

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