ドイツの貯蓄銀行がアプリで暗号資産取引を開始
ドイツの主要金融機関である貯蓄銀行グループ(Sparkassen:シュパルカッセン)は、専用の銀行アプリ内で主要な暗号資産の売買・管理ができる新サービスの展開を本格化させた。
対象となる暗号資産は、ビットコイン(Bitcoin/BTC)、イーサリアム(Ethereum/ETH)、XRP、ソラナ(Solana/SOL)、ポリゴン(Poligon/POL)の5種類だ。これまで価格の乱高下や投資リスクの高さから暗号資産の取り扱いに慎重だった同グループだが、顧客需要の高まりや欧州のMiCA(暗号資産市場規制)をはじめとする法整備の進展を受け、方針を転換した。
Krypto – powered by Dekaの仕組みと利用条件
今回発表されたサービスは「Krypto – powered by Deka(クリプト・パワード・バイ・デカ)」という名称で提供され、グループの証券部門であるデカバンク(DekaBank)が基盤を支えている。
顧客は新たな証券口座を開設することなく、既存のSparkasseアプリ内にある投資セクションから直接取引が可能だ。1取引あたり0.99ユーロ(約156円)の手数料およびスプレッド(売買差額)が発生する。
資産の保管や取引インフラはデカバンクとシュトゥットガルト証券取引所が連携して構築し、秘密鍵の管理もデカバンクが行う。安全性を重視した設計となっており、外部の個人用ハードウェアウォレットへの直接送金は制限され、指定された事業者への送金のみ許可される仕組みだ。
順次拡大とリスク提示
今回のサービス導入は全国一斉ではなく、各地域の貯蓄銀行が導入時期を判断する形をとっている。
DSGV(ドイツ貯蓄銀行協会)のヨアヒム・シュマルツル(Joachim Schmalzl)理事によると、今後は毎月30〜40行のペースで順次追加され、230行以上が関心を示していることから、2027年前半までに希望する大半の店舗で接続が完了する見通しだ。
なお、同サービスは自己責任で取引を行う成人顧客を対象としており、銀行側から個別の投資助言や積極的なプロモーションは行われない。DSGVは暗号資産を「極めて投機性が高い」と位置づけており、全損リスクがあることを明確に警告した上で、長期的な資産形成には従来型の投資信託や貯蓄プランを推奨している。
業界全体に広がる暗号資産対応
ドイツでは、スマートフォン専業銀行のN26やRevolut(レボリュート)、協同組合銀行(フォルクス銀行)などが先行して暗号資産サービスを提供している。さらにドイツ銀行もカストディ(保管)サービスの準備を進めており、大手金融機関が相次いでデジタル資産市場へ本格参入する流れが加速している。























