韓国銀行が外国人投資家向けウォン決済システムの試験運用を開始
韓国の中央銀行である韓国銀行は、国内外の金融市場における利便性向上とグローバル化を見据え、外国人投資家を対象とした24時間ウォン決済システムの試験運用を正式にスタートさせた。
今回の取り組みは、世界的な投資家たちが時差を気にせずスムーズに取引を行える環境を整えるための重要なマイルストーンることが期待されいる。このプロジェクトは、海外からの本格的な参入に先立ち、まずは韓国内のKB国民銀行、ウリィ銀行、ハナ銀行、新韓銀行の主要4銀行を対象として開始された。
韓国銀行の発表によると、現地時間午前9時にスタートした試験初日には、参加行のうちの2行がすでに100万ドル(約1.5億円)相当の取引を完了させるなど、順調な滑り出しを見せているという。
システム自体は、週末と祝日を除く平日を基本としながらも、昼夜を問わない24時間体制での運用を想定。これにより、韓国国内の営業時間外であっても、異なるタイムゾーンに拠点を置く海外の市場参加者がウォン建ての取引や決済を行えるインフラの構築が進められている。
海外金融機関の参加拡大と今後のスケジュール
国内での小規模な検証フェーズを経て、今後は海外の銀行やその他の金融機関も順次、試験運用へ参加する見通しだ。現時点では具体的な追加スケジュールは固まっていないものの、韓国銀行はシステムの稼働状況を注意深くモニタリングし、安全性を確認しながら段階的に参加者を拡大していく方針とのこと。
さらに、大きな転換点として予定されているのが2027年1月の本格稼働である。この時期からは、海外の投資家が韓国国内の金融機関をわざわざ経由しなくとも、国外においてRFI-K(ウォン取引登録外国機関)口座を活用することで、投資家同士による直接的なウォンの取引、送金、決済が可能になる予定だ。
通貨市場の開放と「先進国市場」への格上げ戦略
こうした一連の抜本的な改革は、2026年1月に初めて打ち出された韓国政府および中央銀行による大規模な市場開放戦略の一環として位置づけられている。
背景には、MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)が提供する株式市場のインデックスにおいて、韓国市場を「新興国市場」から「先進国市場」へ格上げさせたいという強い狙いがある。
先進国市場への移行が実現すれば、世界中のパッシブファンドや指数連動型の巨大な投資資金が韓国株式市場に流入する可能性が高まる。24時間体制でのウォン決済インフラは、こうしたグローバル投資家を呼び込むための不可欠な前提条件であり、海外資本の参入障壁を大きく引き下げるものと期待されている。
最先端技術を活用した決済インフラの多様な試み
韓国銀行は、従来の枠組みに留まらず、最先端の金融テクノロジーを活用した次世代の決済実証実験にも積極的に取り組んでいる。
その代表例が、BIS(国際決済銀行)が主導するプロジェクト・アゴラ(Project Agorá)への参画だ。同プロジェクトでは、ウォンを含むトークン化された中央銀行預金と民間銀行預金を組み合わせ、国境を越えたクロスボーダー決済の有効性を検証するテストが実施された。
加えて、韓国国内においてもブロックチェーン技術を活用したパイロットプロジェクトであるプロジェクト・ハンガン(Project Hangang)が進行中だ。こちらでは、ホールセール型CBDC(中央銀行発行デジタル通貨)を用いることで、トークン化された民間銀行預金の決済を効率的かつ安全に行うための技術検証が進められている。
韓国銀行が推進するこれらの取り組みは、単なる決済時間の延長にとどまらず、ウォンの国際的な地位の向上、およびグローバル金融システムとの統合を強力に後押しするものです。2027年の本格稼働に向けた今後の動向から、引き続き目が離せない。























