コインベース、個人投資家向けIPO株の提供を開始――第一弾はOura、関連して株価も上昇

コインベースが個人投資家向けIPO株の提供を開始

暗号資産取引所を運営するコインベース(Coinbase)は、米国の適格な個人投資家向けにIPO(新規株式公開)の株式割り当てへのアクセスを提供する新機能の開始を発表した。

この取り組みの記念すべき第一弾として、人気スマートリングを手がけるOura(オーラ)のIPOが予定されており、暗号資産の枠を超えて総合的な金融プラットフォームへと事業領域を拡大する動きが注目を集まっている。

個人投資家向けIPO参加サービスの概要

コインベースは、拡大を続ける従来の投資商品ラインアップにIPO株の割り当てを追加し、個人投資家向けサービスの強化を図っている。米国の対象顧客は、市場取引が開始される前に、コインベースアプリを通じてOura株をIPO価格で申し込むことが可能だ。

申し込み方法
顧客はアプリ内の専用IPOセクションから案件を選択し、口座に入金した上で、予想価格帯が公表され次第「購入の条件付き申し込み」を提出する。また、FINRA(金融取引業規制機構)の標準的なアンケートへの回答も求められる。

割り当ての仕組み
注文はコインベースの登録ブローカー・ディーラーであるCoinbase Capital Marketsが集約し、Apex Clearing Corporationを通じて取り次がれる。ただし、申し込みを行っても株式の割り当てが必ず保証されるわけではなく、需要や割当数に応じて全額成立、一部成立、または却下される場合がある。

長期保有の優遇と制限
同社の割り当てアルゴリズムは長期的な視点を持つ投資家を優先する仕組みとなっており、取得した株式を最初の30日以内に売却した場合はその後60日間IPOへの参加が制限される可能性がある。また、早期売却を繰り返す投資家は割当株数や頻度が低下する場合がある。

暗号資産の枠を超えたEverything Exchangeへの事業拡大

今回のIPO展開は、同社が掲げる「Everything Exchange(あらゆる金融取引ができるプラットフォーム)」の実現に向けた戦略の一環だ。コインベースは暗号資産の現物・デリバティブ取引にとどまらず、伝統的な金融商品や株式市場への接続を急速に進めている。

同社は株式やオプションなど従来の市場向け商品への拡大を進めており、米国の顧客は既存ポートフォリオの移管や主要な株式・指数・ETFの取引が可能になっている。さらに、米国外の適格ユーザーを対象としたプレIPOの無期限先物取引の提供や、Apple、Tesla、Nvidiaなどの株式に連動する米国向け無期限先物の上場に向けたSEC(米国証券取引委員会)への登録申請など、多様な金融プロダクトの拡充を図っている。

ビットコインの急騰とコインベース株の上昇

個人投資家向けIPOサービスの発表と同時に、暗号資産市場全体にも強い追い風が吹いた。ビットコイン価格が数カ月ぶりの高値となる8万6,000ドル(約1,350万円)を突破して急騰したことを受け、市場の勢いに乗る形でコインベースの株価(ティッカー:COIN)も堅調に推移し、日中取引で上昇を記録した。

Ouraはティッカーシンボル「OURA」でNasdaqへの上場を予定しており、1株あたり40ドル(約6,290円)から44ドル(約6,900円)の予想価格で5,000万株を売り出す計画だ。コインベースは、販売グループへの割り当てが可能になり次第、Ouraに続くさらなるIPO案件の提供も計画しており、今後の展開が期待されている。

 

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