米CFTC、暗号資産のウォレットやソフトウェア開発者をブローカー登録から免除・除外

CFTCがウォレットやソフトウェア開発者を対象にノーアクション・レターを拡大

CFTC(米国商品先物取引委員会)の市場参加者部門は、ユーザーと規制対象のデリバティブ市場をつなぐ受動的なソフトウェア提供者やウォレット開発者を対象に、ブローカー登録要件の適用を免除・除外するノーアクション・レター(法執行措置見送り方針)を拡大した。

上院におけるCLARITY法案の審議が停滞する中で出されたこの新たな暫定措置により、暗号資産および予測市場の関連開発者に対してより広い法的枠組みが提供されることになる。

拡大される救済措置の背景と対象範囲

今回のノーアクション・レターは、今年(2026年)3月に暗号資産ウォレットを手がけるPhantom Technologies(ファントム・テクノロジーズ)社に対して個別付与された救済措置を、条件を満たすすべての受動的なソフトウェア開発者全般へと拡張するものだ。

日本語訳:
3月、PhantomはCFTCからノーアクションレリーフを受けた初のパッシブソフトウェアプロバイダーとなりました。CFTCが協力して、非カストディアルソフトウェアプロバイダーが規制市場とユーザーを…

対象となるのは、登録済みの先物取引業者(FCM)、紹介ブローカー(IB)、指定契約市場(DCM)などの規制市場へとユーザーを繋ぐ役割を果たす受動的なインターフェースや自己管理型のウォレットだ。Solana Policy Institute(ソラナ・ポリシー・インスティテュート)の法務顧問であるパトリック・ウィルソン(Patrick Wilson)氏は、この方針によって開発者側が紹介ブローカーとして過剰に扱われることなく、規制市場への接続方法に関してより明確な基準を得られると評価している。

免除適用の厳格な条件と10の制限事項

この免除措置の恩恵を受けるためには、開発者側が厳格な条件を遵守しなければならない。最大の特徴は、ソフトウェアが完全に「受動的」である必要性だ。

裁量権の不在
開発者は取引の執行やルーティング方法の決定、明示的な売買シグナルの発信を行えず、ユーザーがすべての取引を完全にコントロール。
カストディの禁止
ユーザーの資金やデリバティブ・ポジションの裏付けとなる資産をソフトウェア開発者が直接預かることは認められず、資金は清算機関の管理下に置かれる。
手数料体系の制限
取引量に応じた変動型のキックバックや報酬を受け取ることは原則として禁止される。

さらに、CFTCのスタッフ・レターでは10項目に及ぶ詳細な活動制限や条件が示されている。これには、プリンシパル(主要関係者)が法的な適格性欠如に該当しないこと、リスク開示に関する記録の保管、破綻時のCFTCへの通知などが含まれる。また、ユーザーがソフトウェアを介さずとも直接規制市場にアクセスできる環境を維持することも不可欠だ。

暫定的なアプローチと今後の展望

この決定は、米国上院においてCLARITY(暗号資産市場)法案の採決が否決されたわずか数日後に行われた。法的な確実性を求める声が高まる一方、今回の措置はあくまで委員会全体や他部署を法的に拘束するものではなく、市場参加者部門によるスタッフレベルのノーアクションに留まる。

CFTCのマイケル・セリグ(Michael Selig)委員長は、既存の法的権限を活用して市場に明確性をもたらす姿勢を示しており、将来的にはこうした暫定的な見解を正式な規則へと格上げしたい意向を示している。また、同日にはSEC(米証券取引委員会)によるトークン化株式に関するイノベーション免除措置も発表されており、立法府の停滞を尻目に、各規制当局による柔軟な実務対応が模索され続けている。

 

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