オーストラリア国籍に仮想通貨ヘッジファンド創設者に懲役7年半の判決

仮想通貨投資家の資金を奪取した罪で7年半の実刑判決

2件の違法仮想通貨ファンドを運営し、投資家を数百万人から顧客資産を奪取ったとして、ステファン・キン(Stefan Qin、24歳)被告に対し、7年半の服役刑を下した事を発表した。

オーストラリア国籍のキン被告に対し、米国地方裁判所のヴァレリーE.カプローニ(Valerie E. Caproni)裁判官は、顧客から9,000万ドル(約98億8,000万円)をだまし取った容疑で90カ月間の服役と、罰金5,500万ドル(約60億円)を命じた。

DOJ(米国司法省)の発表によると、キン容疑者は、クライアントから約9,000万ドルを盗み、7年半の懲役刑を言い渡された。同被告が運営していた逮捕につながった詐欺舞台である2社(Virgil SigmaとVQR)の本社がニューヨークにあったことから、オーストラリア国籍のキン被告は米国での裁判につながっている。2社の運営体制は、投資家から資金を集め、後に裁定取引戦略に採用することに加え、彼らは「マーケットニュートラル」として宣伝しており、デジタル市場の変動性がクライアントをリスクにさらすことはないとして顧客らを勧誘していたという。

顧客資金はキン被告の豪遊のための私的流用へ

マーケティングレポートによると、Virgil Sigmaは2017年3月に利益を登録しなかったのはわずか1カ月のみで、キン被告も顧客と接しており、自らの投資ファンドの成功を自慢することがしばしばあったという。2017年にVirgilSigmaが年間500%の収益を上げた後、同被告はウォールストリートジャーナルに掲載されたものの、嘘で塗り固められており、投資家は同被告の戦略が、クライアントの資金を横領し、不正な投資の一手段にすぎなかったという。同被告は顧客らからだまし取った資金で、豪華な食事やニューヨークのペントハウスの家賃など、私利私欲のために使っていたほか、投資家の資本の大部分を使用して、仮想通貨とはまったく関係のない他のエンティティに資金を利用していたという。

キン被告が顧客からだまし取った金額は9,000万ドルという巨額ではあるものの、仮想通貨関連犯罪に対してこれまでに与えられた判決の中で最大のものではない。スウェーデン在住のロジャー・ニルス・ヨナス・カールソン(Roger Nils-Jonas Karlsson)被告は、3,500人以上を不正なビットコイン投資スキームに誘い込んだ罪で、15年間の服役刑を言い渡されている。カールソン被告は投資家に対し、投資家の資金(主に仮想通貨)が安全であるとうたい、その資金を私的に流用、タイのリゾートやコンドミニアム、競走馬などの資金に充てていたことが分かっており、被告が所有する不動産などの資産を没収するように彼に命じている。

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