香港中央銀行がステーブルコインの評価を公表
香港の中央銀行にあたるHKMA(Hong Kong Monetary Authority:香港金融管理局)は、ステーブルコインとデジタル資産が法定通貨システムに悪影響を及ぼす可能性があることを懸念している事が分かった。
デジタル化の速度が上がることを考えると、ブロックチェーン技術と暗号セクターは、従来の金融セクターでより多くのアプリケーションを見つけている。仮想通貨は、新しいデジタル決済システムと、より広範な金融包摂に加え、イノベーションを提供してきた。ただし、デジタル資産は非常に不安定であり、価値の保存手段や支払い手段としての使用に多くの課題をもたらしている。仮想通貨ボラティリティ(価格変動によって生じる価格差)は、ステーブルコインの導入につながり、これらのデジタル資産は、送金の高速化によって長年にわたって注目を集めている。しかし、ステーブルコインは、極端な市場状況では不安定になることも証明されており、ステーブルコインとデジタル資産が法定通貨システムに悪影響を及ぼす可能性が懸念されている。
そこでHKMAは、それぞれの状況を評価。調査結果には、デジタル資産と資産に裏付けられたステーブルコインの不安定性が従来の金融システムに波及する可能性があることが改めて浮き彫りとなった。
HKMAの査定内容
資産担保型のステーブルコインの評価では、流動性のミスマッチのリスクが浮き彫りになり、売り切れ(ファイアセール)イベント中の安定性に影響することが分かった。
ファイアーセールイベントは、投資家が市場価格よりも安くステーブルコインを購入できる金銭的価格変動の時期の事である。HKMAによると、暗号資産の相関関係により、業界は体系的なショックを受けやすくなっている。さらに、金融機関の仮想通貨へのエクスポージャーの増加により、仮想通貨の価格の急激な変化による閉鎖の影響を受けやすくなる可能性がある。
HKMAは、従来の金融資産に対する暗号の波及効果を示すフローチャートでさらに説明。フローチャートは、資産担保ステーブルコインの価格変動がステーブルコインの逆調整を引き起こす可能性があることを示唆している。なあお、この仮説は、ステーブルコインの需要と供給が価格変動を引き起こす可能性があるという調整を導きだしている。またHKMAは、規制当局が準備資産の構成に制限を設けることにより、資産担保型ステーブルコインの流動性管理を強化することを推奨している。
香港はCrypto ETF提供を歓迎
一方、香港SFC(香港証券先物委員会)は、HKMAの勧告を支持するコメントを出している。
同委員会は、上場投資信託(ETF)提供を希望する管理会社は、規制順守の良好な実績を持っている必要があるとアドバイス。新しいアップデートで、HKEXグループは、SFCの発表を歓迎するツイートをリリースし、仮想資産でETFを上場する許可を取得。取引所は、この情報がアジアの主要なETF市場としての香港の成長を促進すると述べた。香港に本拠を置く取引所は、上場ETFは国際金融センターとしての香港の役割を強化すると述べた。