Coinbase米国ユーザーのカスタマーサービスの不満拡大
米国の大手仮想通貨取引所Coinbase(コインベース)のカスタマーサービスに対する批判は、ユーザーアカウント乗っ取り報告事件を受け、さらに拡大していることが明らかになった。
米国のニュース専門放送局CNBCの最新調査によると、米国のCoinbaseユーザーは、アカウントが乗っ取られていたことに気づいたことで、取引所のカスタマーサービス慣行に関する苦情を共有した。CNBCは、米国のCoinbaseユーザーに実施したインタビューの結果を公開し、取引所がユーザーからの苦情を処理する方法のいくつかの問題点を指摘した。
顧客からのサポートサービスへの不満
Coinbaseのカスタマーサービスは主にメール処理されており、ほとんどのユーザーは担当者に直接連絡するのが難しい構造になっていた。
さらに、Coinbaseには、アカウントハッキングに苦しむ顧客の処理方法に関しても多くの問題があることがわかっており、ハッキング被害にあったタンジャ・ヴィドヴィッチ(Tanja Vidovic)氏は、168,000ドル(約1,850万円)もの資産がなくなったにもかかわらず、4カ月経過した現在も話をすることすらできていないという。
CNBCは何千もの苦情を検討し、ヴィドヴィッチ氏と同様にハッキング被害にあっているユーザーが多く存在することを発見しており、同取引所のカスタマーサービスへの対応が危惧されている。調査によると、連邦取引委員会と消費者金融保護局へのCoinbaseに対する苦情は、2016年以来合計11,000件を超えている。これらの苦情の大部分は、顧客サービスの欠如に関するもので、一部のユーザーは、Coinbaseへの問い合わせに答えてもらえなかったり、適切な返答が返ってこなかったと主張している。
ユーザーの一人であるベン(Ben)氏は、自分のアカウントにログインした際に30,000ドル(約330万円)以上の資金がなくなっていたが、Coinbase側はこれを彼のコンピューターハッキングによる問題であると結論づけ、最終的に200ドル(約22,000円)しか支払っていない。別のユーザーに関してもCoinbaseは、フォロワーが多い人にのみに返信をするので、私たちのようなユーザーの資金が守られることはなく、説明すらないまま5カ月間ロックされていると述べた。
これに対してCoinbaseは、ユーザーアカウント乗っ取りのためのカスタマーサポート電話回線を設置する計画を明らかにしており、CoinbaseのCEO(最高経営責任者)であるブライアン・アームストロング(Brian Armstrong)氏は次のように語った。
これまでのようにアカウントハッキングを恐れることはなくなるでしょう。
NEXTMONEYの8月24日付の特集記事「仮想通貨詐欺被害の疑いのある顧客にCoinbaseが電話サポートを展開へ」で報じているように、これら顧客からの不満を受けてか、仮想通貨関連詐欺の被害が疑われる顧客に対し、電話サポートデスクを立ち上げたことを8月20日付け公式ブログで発表している。