九州電力が東京に事務所を構えるスタートアップ企業デジタルグリッド株式会社に出資したことを29日に自社サイトのプレスリリースで発表した。九州電力以外には、東京ガス、住友商事、清水建設などもデジタルグリッドに出資している。
デジタルグリッドは太陽光発電や小型の風力発電といった再生可能エネルギーの使用優先度を上げたり、電力を自動的に取引するプラットフォーム事業を推進することを目標としている。取引結果はブロックチェーン上に記録される。
これまでにもデジタルグリッドは、石川県和倉温泉と福島県いわき市にて実証事業を行った実績がある。
和倉温泉の実証実験では、温泉排熱を使った発電、菜種油やオリーブ油など生物由来の廃食用油を利用して発電するBDF(バイオディーゼル)発電、太陽光発電の3種類の電力を融通することが目的だった。
いわき市の実証実験では、同市にあるサンフレックス永谷園本社工場の省エネ化が目的だった。電力会社から供給される電気に太陽光発電とディーゼル発電機による電力という合計3種類の電力を必要に応じて使い分ける実験が行われた。
電力会社がブロックチェーンを活用した例としては、IoTとIoM(Internet of Money)の融合を考えている株式会社Nayuta、ソフトウェアの開発を行っているインフォテリア株式会社と中部電力が共同で行った電気自動車等の充電履歴をブロックチェーン上に記録する実証実験が存在する。