英国の広告基準局がかそうつうか広告展開の企業に警告
英国ASA(Advertising Standards Authority=広告基準局)は3月22日(火曜日)、仮想通貨広告を展開している50社以上の企業に対し、コンプライアンスを監視し、改善が見られない場合は制裁を実施すると警告通知したことを公表した。
今回ASAによって通知された警告は、対象企業に対して広告を見直し、消費者が公平に扱われるよう、規則を理解し遵守するよう指示したものとのこと。今回の警告は、英国消費者を対象とした、英国ベースの広告主に代わってグローバルに対象としている仮想通貨、仮想通貨取引所および、販売または供給を伴う広告またはプロモーションの広告に適用されるという。ASAは発表に際して次のように語っている。
今回の通達は、仮想通貨業界に規則を守るためのガイダンスを提供するとともに、遵守状況を監視し、改善が見られない場合は制裁を実施することを目的としています。
ASAは仮想通貨広告の積極的な禁止措置へ
今回ASAが発した警告により、仮想通貨広告を掲載する企業は、仮想通貨が英国で規制されていないことなどが定められている。
具体的には…、投資の価値が変動することを明確に記載する必要があるほか、仮想通貨投資が些細なこと、簡単なこと、誰にでも適していることを暗示したり、購入しないことで損失を被る恐れを生じさせるなどの記載を禁止している。実際、ASAは、NEXTMONEYの2022年3月4日付け特集記事「英・ASA、ロンドン地下鉄の仮想通貨FlokiInu広告キャンペーンを禁止」で報じたように、テスラのイーロン・マスク(Elon Musk)CEO(最高経営責任者)の飼い犬である「フロキ」にインスパイアされた、フロキイヌ(Floki Inu/FLOKI)の広告を禁止している。また、2021年12月には、同じく当NEXTMONEYの2021年12月15日付絵特集記事「英・広告基準協議会ASAが仮想通貨マーケティングで7つの広告を禁止へ」で報じているように、Papa John’s、Coinbase Europeなど、7件の仮想通貨広告を禁止している。
ASAはFCA(Financial Conduct Authority=金融行動監視機構)とも連携しており、FCAは2021年の6カ月間に仮想通貨企業に関連する300以上のケースを開設し、企業に対して犯罪調査を含む50のライブ調査を行っている。
アイルランドでは仮想通貨投資リスクに警告
アイルランド中央銀行は、欧州監督当局による欧州全体のキャンペーンの一環として、仮想通貨への投資のリスクについて新たな警告を発したことも明らかになっており、FCAのダービル・ローランド(Derville Rowland)局長は、次のように語っている。
アイルランドやEU全域で、仮想通貨投資の広告や積極的なプロモーションが増加しています。人々は宣伝されている高いリターンに惹かれてこれらの投資に参加するかもしれませんが、現実には大きなリスクを抱えています。仮想通貨を購入する前に、投資した資金をすべて失う余裕があるかどうかを考える必要があります。
なお、ASAコンプライアンスチームは、今後フォローアップ監視を継続し、問題のある広告が5月2日以降も継続する場合は、ターゲットを絞った強制措置を取るとの見解を示している。