日本政府:ロシアの制裁回避阻止のために外国為替法を更新へ

日本政府がロシアの制裁回避阻止で外国為替法の改正へ

日本政府は、ロシアが仮想通貨を使用して経済制裁を回避するのを阻止するために、外国為替法を改正する予定であることが明らかになった。

日本政府の発表によると、外国為替および外国貿易法を改正する計画を明らかにし、仮想通貨取引所に対してより厳格な裁定を下す予定とのこと。この外国為替および外国貿易法とは、日本や国際社会の平和や安全の維持などを目的に、外国為替や外国貿易などの対外取引の管理や調整を行うための法律を指す。

松野博一官房長官は記者会見で、ロシアの経済制裁回避に対応するため、外国為替及び外国貿易法の改正版が今国会で政府から提出される予定であると述べたとのこと。また、国内の仮想通貨取引所に対して、制裁対象者を受け入れる取引の実施を避けるよう要請しており、金融庁はそのような無許可仮想通貨取引には、最高100万円の罰金または3年の懲役を科すと警告。さらに、日本国内の仮想通貨取引所は、制裁を受けた団体や個人が関与する不正な仮想通貨取引が疑われる場合、金融庁に報告する必要があるとのことで、JVCEA(一般社団法人日本暗号資産取引業協会)も会員に対する指導その他必要な措置を講じるとを公表している。

仮想通貨取引所にも法の適用へ

日本はウクライナへの侵攻により、ロシアに対して金融制裁を展開した国の一つであり、ロシアは3月初めに30の仮想通貨取引所に対し、制裁対象国からの取引を許可するよう求める法律を発布している。みずほリサーチ&テクノロジーのシニアエコノミストである酒井才介氏は、これらについて、次のように語っている。

おそらく政府は、銀行のように仮想通貨取引所にも法律を適用し、顧客がロシアの制裁対象かどうかを精査するよう義務付けられるようになります。


ロシアではSWIFTに変わる代替手段に注目

ロシアでは欧米の制裁により、ロシアの多くの銀行が国際取引でSWIFT(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication=国際銀行間通信協会)を利用できなくなっている。

このことから、ロシアのSWIFTグローバル決済システムに相当するSPFS(Sistema peredachi finansovykh soobscheniy=金融メッセージングシステム)が注目されている。そのため、3月中旬にBoR(Central Bank of Russia=ロシア連邦中央銀行)は、国内最大のリテール銀行(※1)であるスベルバンク(Savings Bank of the Russian Federation=ロシア貯蓄銀行)を情報システム事業者登録に加えたことで、企業はDFA(Digital Financial Asset=デジタル金融資産)を発行し、プラットフォーム内でユーザー間と®匹ができるようになったとのこと。

(※1)リテール銀行とは…
retail=小売り)、wholesale=卸売りからきた造語で、個人や中小企業を対象とした小口金融業務を提供する銀行のこと。地域密着型のきめ細かい金融サービスを提供する第二地銀、信用金庫、信用組合などのサービスがこれにあたる

一方で、ロシア議会下院エネルギー委員会のパヴェル・ザヴァルニー(Pavel Zavalny)委員長は3月24日(日曜日)、エネルギー供給に関わる貿易取引にビットコイン(Bitcoin/BTC)のようなデジタル通貨を使うことを示唆する発言を行っている。経済制裁包囲網が日ごとに強まるロシアでは現在、各国の金融制裁によって国際貿易市場にアクセスするため、代替決済システムおよび代替方法を模索することを余儀なくされているようだ。