英国FCA、12社の仮想通貨企業の登録期限を延長

FCAが仮想通貨企業の登録期限を延長へ

FCA(Financial Conduct Authority =英国金融行動監視機構)は、約12の仮想通貨企業に対し、企業が保有する一時ライセンスの有効期限が切れる直前となる前日に、永久ライセンスを申請するための登録期限を延長したことが分かった。

登録期限が延長された企業は、デジタル銀行のRevolut(レボリュート)、仮想通貨仲介サービスプロバイダーのCopperなどだ。企業は、必要であると証明できる場合、申請書を提出するための追加の時間を与えられ、現在最終選考に残った企業は、英国で事業を行うための一時的な許可しか保有していない状態だ。延長の最終候補となった企業は、FCAに申請詳細の提供や、規制当局の決定に異議を申し立てができるとのことだ。

限定された数の企業を承認するFCA

FCAが申請を処理している間、100社を超える企業が運営の一時的な承認を求めていたものの、現在は12社しか残っていないことを大手メディアが報じている。

FCAは、これまでに33社に上る企業を英国の恒久的な登録に承認。つまり、3月31日(木曜日)の期限後も営業を許可されることとなる。仮想通貨企業に対する規制当局の厳しい姿勢は、規制の不確実性をめぐり、主要企業が英国内での事業を縮小してきた。ほとんどの多国籍仮想通貨取引所は、FCAの管轄外で海外での取引を維持することにより、国内で運営することを選択しているのが現状だ。

FCAは仮想通貨に対して厳しいスタンスを維持

FCAは、マネーロンダリング(資金洗浄)や詐手段として仮想通貨を繰り返し批判し、消費者に宇宙への冒険を警告している。

マネーロンダリング法違反を理由に、NEXTMONEYの2022年3月14日付特集記事「英国FCA、ビットコインATMを違法と宣言し、即時シャットダウンを命じる」で報じているように、英国内すべての仮想通貨ATMを禁止し、主要な事業者に事業を停止するよう要請した。しかし、FCAの立場は、国内の他の金融監視機関からのやや穏やかなコメントとは対照的と言える。英国の中央銀行にあたるBoE(Bank of England=イングランド銀行)は、仮想通貨市場が現時点で金融の安定に大きなリスクをもたらすとは考えていないと述べており、FCAのスタンスとはかなり印象が異なっている。

BoEは、投資家を保護するために依然としてより厳しい仮想通貨規制を要求したものの、完全に禁止するのではなく、規制の範囲内に仮想通貨市場を置くことを検討していると述べたほか、仮想通貨を違法行為の主要な媒体とは見なしてはいないのがみてとれる。

英国FCA、ビットコインATMを違法と宣言し、即時シャットダウンを命じる

2022.03.14