バイナンスがVisaデビットカードの廃止を発表
世界最大の仮想通貨取引所バイナンス(Binance)は、顧客に送信したメールの中で、Visaデビットカードが2023年12月以降利用できなくなることを明らかにした。
この動きは、世界数カ国の著名な取引所に対する厳しい規制圧力の中で生じたものであり、2023年10月20日(金曜日)付け公式ブログへの投稿によると、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーとともにEU(欧州連合)の全27加盟国を含むEEA(European Economic Area:欧州経済領域)におけるVisaデビットカードサービスを終了する意向を確認した。メールでは、バイナンスが2カ月後にVisaデビットカードプログラムを終了することを挙げており、この発表の一環として、”UAB Finansinės paslaugos Contis“はBinance Visaデビットカードプログラムの発行元ではなくなる。なお、同日の期限までに、クリップと磁気ストライプが破壊されるよう、Binance Visaデビットカードを切り取って破棄するよう指示している。バイナンスの広報担当者は次のように語っている。
バイナンスカードは2023年12月20日から利用できなくなります。世界中のバイナンスユーザーが仮想通貨で日々の支払いを行うためにバイナンスカードを使用してきましたが、この変更によって影響を受けるのはユーザーの約1%のみです。バイナンスのアカウントは影響を受けず、通常通り運営されます。利用可能な場合、ユーザーはバイナンスが設計した非接触でボーダレスかつ安全な仮想通貨決済技術であるバイナンスペイを使用して、仮想通貨で買い物をしたり仮想通貨を送ったりすることができます。
バイナンスは代替手段にBinance Payサービスを提案
同取引所は、ユーザーが登録された現地の商人と取引するための代替手段として、Binance Payサービスも提案しており、ユーザーへの影響は極めて少ないと見られている。
2022年4月にバイナンスは、戦争の結果避難を余儀なくされたウクライナ人がEEA諸国で金融取引をし、緊急の金融ニーズに対処するのを支援する手段として、Refugee Crypto Card(難民クリプトカード)サービスを開始。しかし、多くの投機家や仮想通貨愛好家にとって、EEAにおけるバイナンスVISAカードサービス終了の発表は、現在世界中で規制当局の監視の強化に直面している同取引所にとって、最新の後退を意味するに過ぎない。
一方で、バイナンスはSEC(米国証券取引委員会)との法廷闘争に明け暮れており、米国証券市場規制当局が同社に科した13件の刑事責任を晴らそうとしている。