規制の取り締まりを受けてBUSDアクティブアドレスが急減

規制強化によってBUSDアクティブアドレスが急減

バイナンスUSドル(Binance USD/BUSD)は、米国当局による規制の取り締まりを受け、アクティブアドレスの急減に見舞われていることが明らかになった。

日本語訳:
BUSDアクティブアドレス数は5カ月ぶりの安値(94.857)に達しました。
2022年10月23日に94.964の過去5カ月の最低値が観測されました。

オンチェーンデータ分析などを手掛ける市場データプロバイダーglassnode(グラスノード)の最新調査データによると、2023年3月7日(火曜日)付けで1時間移動平均をもとにしたBUSDアドレスのアクティブ数は、2022年10月23日以来の最低水準になっており、ここ数週間のBinanceエコシステム内の一連の下落を継続するものであるとのこと。現在、BUSDのアクティブアドレスは1時間平均94個で、1時間平均250個以上だった2022年末と比較して、60%の減少に相当しており、トークンにとって大きな下降局面である。

競合コインのテザー(USDT)は緩やかな落ち込み

2大ステーブルコインであるテザー(Tether/ USDT)とUSDCのアクティビティは、より穏やかな落ち込みにとどまっており、USDTは5,242、USDCは2,291まで減少。BUSDの減少するアクティブアドレスは、Binanceエコシステムを引きずっている弱気な感情を示しているとのこと。

実際、Binance USDは潜在的な規制訴訟に直面したことで、Binanceエコシステムが揺らいでおり、2月には、SEC(米国証券取引委員会)がPaxos(パクソス)に対してBUSDの発行停止を命じた。また、SECはBUSDが未登録の証券であると主張し、投資家保護法に違反したとしてPaxosに対して大規模な訴訟を計画していることが確認されている。PaxosはBinanceと提携し、BUSDの主要発行元として知られており、これは仮想通貨業界に大きな影響を与えている。

米国を拠点とする取引所Coinbase(コインベース)は、2月27日(月曜日)、3月13日からBUSDの取引を停止すると発表。同取引所によると、同資産はもはや同社基準を満たしておらず、ユーザーはBUSDを取引できなくなるが、資金はいつでも引き出せると発表している。

このような状況を踏まえ、Binanceのジャオ・チャンポン(趙 長鵬:Zhao Changpeng)CEO(最高経営責任者)は、BUSDの出来高が大幅に減少すると推定。2月17日から資本がBUSDから離れ始め、そのほとんどがUSDTに移動していると指摘している。

Coingeckoのデータによると、BUSDのストップオーダー発行が発表されて以来、その時価総額は160億ドル(約2.1兆円)から90億ドル(約1.2兆円)へと40%も減少しており、これらのネガティブな動きは、BUSDの弱気な傾向を助長している。一方、USDTは、BUSDの現在の規制問題から時価総額は3%以上伸ばしており、データ分析会社Santimentによると、投資家がBUSDをUSDTに転換したことで、USDTの長期保有者数は年初から16%増加しているとのことだ。