英国FCAがビットコインATMに停止命令
FCA(Financial Conduct Authority=英国金融行動監視機構)は2022年3月11日(金曜日)、国内で運用されているすべての仮想通貨ATMが違法に運用していると警告したうえで、オペレーターに直ちにシャットダウンするように命令した事がわかった。
同当局は、事業者は英国のマネーロンダリング(資金洗浄)規制に準拠する必要があり、誰も準拠しておらず違法に設置されていると指摘。ユーザーが仮想通貨を法定通貨、またはその逆に交換できるATMは最小限のチェックしかなく、マネーロンダリングツールとして使用できると述べ、小規模な取引に対する顧客確認(KYC)の要件を実施していない事を批判した。
仮想通貨に厳しい姿勢へ転じる英国規制当局
CoinATMRadarのデータによると、現在英国で稼働している仮想通貨ATMは約40台あるという。
FCAは常に仮想通貨に対して保守的アプローチを維持してきたが、NEXTMONEYの特集記事「FCA金融行動監視機構、50の仮想通貨会社への調査を進行中」で報じたように、2021年4月から9月の間に仮想通貨に関して300以上の訴訟を起こしている。また、それらは許可されていない仮想通貨ビジネスに対する犯罪調査を含む50件の訴訟であったことがわかっている。
2022年の初めには、仮想通貨製品の広告に対する厳しい制限についても概説しており、11日の発表で同当局は、仮想の規制されていない高リスクな性質について消費者に警告し続けていると述べ、次のように警告している。
私たちは定期的に消費者に仮想資産は規制されておらず、リスクが高いことを警告しています。つまり、問題が発生した場合に人々が保護を受ける可能性は非常に低く、投資を選択した場合、人々はすべてのお金を失う準備をする必要があります。
英国におけるグレー領域の仮想通貨ATM
仮想通貨を簡単かつ匿名で法定通貨に変換する能力を考えると、仮想通貨ATMは、創業以来、規制当局による多大な監視に直面してきた。
米国では、すべてのATMプロバイダーは、マシンに効果的なマネーロンダリング防止プログラムを作成しなければならない。米国では、30,000件を超える世界で最も多くの仮想通貨ATMが設置されている。2022年初めにシンガポールは、仮想通貨関連の詐欺やボラティリティから投資家を保護するためのより厳しいスタンスを採用し、仮想通貨ATMを非合法化させている。その理由としてMAS(Monetary Authority of Singapore=シンガポール金融管理局)は、ATMは、リスクを考慮せずに一般の人々が仮想通貨を簡単に購入し、市場の大きな変動にさらされる可能性があると指摘している。