犯罪組織による仮想通貨の使用が急増
メキシコの法執行当局によると、同国内において仮想通貨は、性別、麻薬、銃、巨大な違法市場の支配を争うギャングの新しい戦いの場として発展し、麻薬カルテルの複数が、違法活動の資金調達にビットコインを使用することが増えていると報告した事がわかった。
メキシコで現在最も恐ろしい犯罪組織と認識されているシナロアカルテル(Sinaloa Cartel)とハリスコ新世代カルテル(Jalisco New Generation Cartel)とのこと。ラテンアメリカやびカリブ海における組織犯罪を専門とする非営利ジャーナリズム・調査組織Insight Crimeによると、西半球で最大かつ最も強力な麻薬密売組織と呼ばれることが多いシナロアカルテルは、メキシコのトップカポの同盟とのこと。同盟メンバーは協力して自分たちを守り、最高レベルの連絡先を活用し、連邦警察と軍隊の要素を操作し、ライバルよりも優位に立っているという。
また、ハリスコ新世代カルテルは、以前はロスマタゼータ(Los Mata Zetas)として知られていたものの、ハリスコに本部を置き、世界で最も指名手配されている麻薬密売組織の1つであるネメシオオセゲラセルバンテスが率いる半軍事化されたメキシコの犯罪組織に今では様がw利しているとのこと。
麻薬カルテルは仮想通貨でレーダー回避
UNODC(United Nations Office on Drugs and Crime=国連薬物犯罪事務所)によると、メキシコのカルテルはビットコイン(Bitcoin/BTC)、インターネット、eコマースを介して年間約250億ドル(約3兆円)をロンダリング(資金洗浄)したと言われている。
INCB(International Narcotics Control Board=国際麻薬統制委員会)が2022年3月11日(金曜日)に発表した最新レポートでは、ハリスコ州とシナロアカルテルは、マネーロンダリング規制を回避するため、オンラインでのビットコインの購入をますます利用しているという。カルテルは、検出を回避するために麻薬の収益を少額の支払いに分割した後、それらのアカウントを使用してオンラインで少量のビットコインを連続して購入し、資金源を隠し、世界中の従業員に支払えるようにしているとのこと。
DEA https://www.dea.gov/ (Drug Enforcement Administration=米国麻薬取締局)の代表であるラウル・マーティン・デル・カンポ(Raul Martin del Campo)氏は次のように語っている。
INCBは、「各国が合意に達し、仮想通貨支払いシステムをより適切に規制する方法を検討するための赤い警告を発しています。
申し立ては、NEXTMONEYの特集記事「バイデン政権が仮想通貨に関する大統領命令を発令:責任ある開発を目標に」でも報じたように、ジョー・バイデン(Joe Biden)米国大統領がCBDC(中央銀行発行デジタル通、※ここではデジタルドル)およびその他の仮想通貨関連の懸念を調査するよう政府に命じる大統領命令に署名してから1週間後の事である。
人身売買とビットコイン
2019年4月、メキシコ当局は、人身売買業者であるイグナシオ・サントヨ(Ignacio Santoyo)と、ラテンアメリカ全土で活動している売春リングとの関係を確立した後、カリブ海のリゾート地プラヤデルカルメンの豪華なセクションで拘束している。
当局によると、サントヨ容疑者が恐喝や性的搾取で告発されたのは、最終的に逮捕に至った2,000人の女性ではく、犯罪収益をロンダリングするために使用した疑いのあるビットコインに関連した罪で逮捕されている。