SECがトークン化株式の免除措置を延期 市場の懸念受け制度設計を再精査

SECの規制対応とトークン化株式取引の延期を表す、砂時計とデジタル証券を組み合わせたイメージ

SECがトークン化株式市場への対応を一時見送り

SEC(米証券取引委員会)は、仮想通貨プラットフォーム上でのトークン化株式取引を対象とした「イノベーション免除」措置の公表を延期した

日本語訳:
ありがとうへスター・パース氏。コインベースは、トークン化に関して既に公表されているSEC職員の思慮深いコメントを長らく支持してきました。SECは、特に…

市場関係者から制度設計や権利保護に関する懸念が寄せられたことを受け、SECは内容の精査を進めている。SECは当初、トークン化された株式を仮想通貨プラットフォーム上で取引できるようにするための免除措置を今週中にも公表する方向で準備を進めていた。草案はすでにSEC職員による検討を終えており、SECは数百人の参加者から意見を収集していた。今回の枠組みでは、トークン化株式を提供するプラットフォームに対し、議決権や配当金など、従来株式と同等の権利を投資家へ保証することが求められていた。

一方で、市場関係者からは複数の懸念が示された。上場企業の同意なしに第三者が株式トークンを発行する可能性や、半匿名型ブロックチェーン上で所有権をどのように確認するのかといった点が問題視されている。さらに、配当金支払いや株主投票の集計など、通常の株主業務への影響を懸念する声も上がった。海外の悪意ある人物の手に渡る可能性についても指摘されている。

業界からは慎重姿勢を支持する声

SEC委員のヘスター・パース(Hester Peirce)氏は、今回の免除措置について、対象は限定的なものになると説明している。同氏は、投資家が既存市場で購入可能な株式証券のデジタル表現のみを対象とする方針を示した。

SECは1月、完全な株主権を持つカストディアル型トークン化証券と、原株を保有せず価格変動のみを反映する合成型トークン化証券を区別する考えも明らかにしている。

業界側からは、SECの慎重な対応を支持する意見も出ている。トークン化プラットフォームSecuritize(セキュリタイズ)のカルロス・ドミンゴ(Carlos Domingo)CEO(最高経営責任者)は、対象となる金融商品の選定を誤ればさまざまな問題につながると指摘した。

また、仮想通貨取引所Bullish(ブリッシュ)のトム・ファーリー(Tom Farley)CEOは、株式を表すトークンを発行できるのは上場企業のみであるべきだとの考えを示し、枠組みを正しく整えるために必要であれば、SECがさらなる検討期間を設けるべきだと述べた。

RWA(現実世界の資産)業界標準のデータプラットフォームRWA.xyzによると、現在までに約340億ドル(約54兆円)相当の実物資産がトークン化されており、そのうち約15億5,000万ドル(約2,468億円)がトークン化株式となっている。