HSBC香港が投資家向けゴールドトークンを発売

HSBC香港が現実世界の資産をトークン化

HSBC香港は、香港の個人投資家向けにゴールドトークンを発売し、トークン化されたRWA (※1)を提供する最初の金融機関となった事が分かった。

(※1)RWA(Real World Asset:現実資産)とは…
。動産や株式、債権、金(ゴールド)などの資産のほか、美術品、ワイン、アート作品、トレーディングカード等の実物資産、株や債権等の有価証券などの権利をトークン化したもの。

香港の個人投資家は、HSBCオンラインバンキングとHSBC HKモバイルアプリを通じ、金(ゴールド)トークンを購入できるようになる。さらに、HSBC Orionのトークンにもアクセスできるようになるという。HSBC Orionは、債券の発行と取引の効率、セキュリティ、柔軟性を高めるために開発されたDLT(※Distributed Ledger Technology: 分散型台帳技術)ベースの債券トークン化プラットフォームだ。このニュースは、HSBC香港の最高デジタル責任者であるボージャン・オブラドヴィッチ(Bojan Obradović)氏により、ミルケン研究所グローバル投資家シンポジウムのパネルディスカッション中に発表された。

HSBCは以前にもゴールドトークン化計画を検討

これは金融機関がブロックチェーンにおいて講じる最初の一歩ではなく、HSBCは以前、スイスのセキュリティプラットフォームMetaco(メタコ)と協力して立ち上げたデジタル資産保管プラットフォームの一部としてトークン化された金を提供することを検討していた。

トークン化により、金などの現実世界の資産をブロックチェーン上のデジタル資産として提供できるようになる。トークン化されたゴールドの形でのユーザー資産は、セキュリティと透明性が強化され、購入者は、世界中のどこからでもプライベート台帳やイーサリアムなどのパブリックブロックチェーン上のトークン化された資産にアクセスできる。

トークン化された金を保有することは、個人投資家にとって多くのメリットがあり、現物の金からデジタルトークンへの移行により、投資家は金の一部を所有できるようになった。さらに、HSBCでは金を物理的に保管する必要がなくなるため、スムーズな取引が可能になると歓迎されている。さらに、ブロックチェーン技術を活用することで、トークン化された資産の不変性と追跡可能性が確保され、信頼性が高まり、投資家にとって大ジュノメリットが享受できる。

銀行におけるブロックチェーンの需要の高まり

HSBCは、トークン化されたゴールドを提供することで、フィンテック分野におけるブロックチェーンベースのソリューションに対する需要の高まりに応えた。

ゴールドトークンは正常に発売され、分散型台帳技術を使用しながら革新的な投資資産を提供し続けるという銀行の意図を強調。これは、RWAをトークン化するという市場の大きな傾向を表しており、ゴールドトークンの発売により、HSBCは小売市場向けにブロックチェーンベースのRWAを作成した最初の銀行となった。香港HSBCのゼネラルマネージャー兼ウェルス・個人バンキング部門責任者のマギー・ン(Maggie Ng)氏は次のように語っている。

私たちは、デジタル資産に対する需要が高まっていることと、お客様が金投資にすでに慣れ親しんでいることを認識しています。HSBC Orionを利用したHSBCゴールドトークンが、SFC(証券先物委員会)によって認可された分散型台帳技術に基づいた香港初の小売商品であることを誇りに思っています。