BitMEXの共同創設者に重大な規制違反および商品取引所法違反関与で罰金命令

CFTCがBitMEX共同創設者3人に罰金命令

CFTC(Commodity Futures Trading Commission=商品先物取引委員会)は最近、仮想通貨取引所BitMEXの創設者の3人に、総額3,000万ドル(約40億円)の民事金融処罰を科したことが明らかになった。

CFTCによると、BitMEXの共同設立者の3人は、CFTCの言うところの重大な規制違反および商品取引所法違反に関与したとして、高額な罰金の支払いを命じられたとのこと。今回、CFTCから出された命令によると、BitMEXの共同設立者であるアーサー・ヘイズ(Arthur Hayes)氏、ベンジャミン・デロ(Benjamin Delo)氏、サミュエル・リード(Samuel Reed)氏に対し、連邦商品取引法違反でそれぞれ1,000万ドル(約13億円)を支払うよう求めた。

3人の違法行為には、指定契約市場またはスワップ執行施設として運営するためのCFTCの承認を受けずに、スワップを取引または処理する施設を運営したこと、CFTCの登録なしに先物取次業者(Futures Commission Merchant)として運営し、顧客情報プログラム、KYC (Know Your Customer=顧客課人)手続き、適切なAML(Anti-Money Laundering=資金洗浄防止対策)プログラムを実施しなかったことなどが含まれている。さらに、これらの民事上の告発に加え、共同設立者たちに対する刑事上の告発も並行して行われており、ニューヨーク州南部地区連邦検事局は、銀行機密保護法違反の故意により起訴したとのこと。

CFTCは経営陣に責任を負わせることを予定

2020年にCFTCは、ビットコイン(Bitcoin/BTC)、イーサリアム(Ethereum/ETH)、ライトコイン(LiteCoin/LTC)の仮想通貨取引(デリバティブを含む)のため、米国の顧客から注文と資金を違法に受け入れたとして、Bitmexとその創設者に最初の制裁を課している。

今回の件に関して、被告3人が有罪を認め、ヘイズ氏は判決公判に先立ち、海外渡航可能な保護観察を要求していることも明らかになっている。また、CFTCへの登録を怠ったことに加え、その命令は同社が十分なマネーロンダリング防止と顧客把握のためのチェックを実施しなかったことも明らかにしており、CFTCのカーリン・D・ファム氏は次のように述べている。

米国の規制枠組みの基本的な側面である登録、市場行為、マネーロンダリング防止規則に対する個人の説明責任を強化することにより、CFTCは、昨年の企業被告との1億ドルの和解後、BitMEXの経営陣に責任を負わせることを予定しています。

一方で、ブルームバーグの報道によると、ヘイズ氏の母親が、司法省の裁判を担当する連邦判事に対して、寛大な判決を求める手紙を提出し、弁護団は自宅軟禁や地域監禁を伴わない執行猶予の判決を求めたとのこと。