バイナンス幹部がナイジェリアNSAを提訴
バイナンス(Binance)幹部らは長期にわたる拘束を巡り、NSA(国家安全保障担当補佐官)とEFCC(経済金融犯罪委員会)に対して訴訟を起こしたことが分かった。
拘束されたバイナンス幹部のティグラン・ガンバリヤン(Tigran Gambaryan)氏が、ナイジェリアNSAとEFCCに対して訴訟した。現地メディアの報道によると、同氏は2024年3月28日(木曜日)、基本的人権の侵害の疑いでNSAに5件に上る救済を求めて訴訟を起こした。これは、ナイジェリア政府によるバイナンス幹部2人の逮捕・拘留が背景にある。
代理人となった弁護士事務所Aluko and Oyebode(アルコ&オイエボード)の弁護士は、同氏は救済を求めて首都の連邦高等裁判所に訴えを起こしたと明かした。弁護士は人権を問題視し、同氏の国際パスポートの差し押さえは憲法上および個人の自由に反すると主張している。また同氏は裁判所に対し、パスポートの返還と3週間以上後の拘留からの即時釈放を認めるよう要求。さらに、同様の捜査における今後の拘留の差し止めと、NSAとEFCCに対する公的謝罪を要求しており、同氏は法廷に訴訟費用の全額を賠償するよう求めたとのこと。
ガンバリアン氏が試練を語る
同氏は、自身が米国民であり、バイナンスに関する発展途上の問題について話し合うためにNSAとEFCCからの招待を受けて、2月26日に同僚とともにナイジェリアに来たと主張。
同氏は無実を主張し、会合では不正行為はしておらず、逮捕前に犯罪についても知らされていなかったと述べており、弁護士は次のように述べている。
同氏の拘留の唯一の理由は、政府がバイナンス社に情報を求め、同社に要求を行っていることだ。
同様に、拘留から逃走したナディーム・アンジャルワラ(Nadeem Anjarwalla)氏も、弁護士を通じて権利執行に関して訴訟を起こしたとのことだ。
ナイジェリアのバイナンス危機
ナイジェリア政府は、バイナンスのナイラ向けP2Pが国内通貨に影響を与えたと主張している。
2024年、ナイラは大幅な価値を失いつつあったうえ、政府はマネーロンダリング(資金洗浄)活動に3つのプラットフォームが使用されていると主張していた。これに対し、バイナンスは政府の要請に応じて幹部を交渉に派遣し、NGN P2Pオプションの上場を廃止させている。幹部2人の逮捕を受け、デジタル資産業界に悪影響を与える出来事が続いているとして、デジタル資産コミュニティはナイジェリア政府に対し両氏を釈放するよう要求。ケニアブロックチェーン協会はナイジェリア高等弁務官事務所と面会し、アンジャルワラ氏の釈放を要求した後、ナイジェリア政府はバイナンスに対して脱税容疑で訴訟を起こしている。