ロシア政府、未登録仮想通貨の使用に関して違法化を検討中

ロシアの地元メディアIzvestia(イズベスチヤ)が入手した文書によると、ロシア内務省は未登録の仮想通貨の使用に関し、刑事罰を科す事を検討中である。

Izvestiaが手に入れた文書によれば、ロシアの内務省はBTC(ビットコイン)やETH(イーサリアム)などの仮想通貨に関し、登録されている通貨のみ合法にするという法律修正を進めている。合法な仮想通貨取引を行っていくために、仮想通貨を利用する団体や個人は「税金及び、金融の管理を行なう州政府での登録」を必須事項とすることを、ロシア内務省では検討中である。

この法規制に関する修正案はロシア内務省内の麻薬統制総局(GUKON)の提案によるものだと伝えられている。Izvestiaによれば、GUKONのトップであるアンドレイ・クラポフ氏は先月13日、ロシアの財務省に対し修正案実現及び、その可能性に関しての詳しい説明を求めた。

しかしロシア経済発展省は今回の修正案に関し、現時点での仮想通貨利用の違法化は、時期尚早であるとの見解をしており、ロシア経済発展省で副大臣を務める、サヴァ・シポフ氏は、現状特に仮想通貨の取引に関する法規制はないことを明らかにしている。

Sputnik DLT(スプートニクDLT)のCEOであり、法律専門家でもあるArtem Tolkachev(アーテム・トルカチェフ)氏はロシア経済発展省の意見に賛同しており、仮想通貨に関する法整備が整っていない状態で、「登録されてない仮想通貨の使用を罪とする事に関しての議論は、時期尚早である。」と述べている。

また、「トルカチェフ氏はロシアにおける仮想通貨取引は”グレーゾーン”であり、多くの法規制に関する構想が掲げられてきたが、仮想通貨取引を犯罪とすることに関し、未だ直接の法的根拠はない。」とも話した。

ダークウェブ内などで薬物や武器といった違法品への支払い手段に仮想通貨の使用が確認された場合、使用した個人及び、団体に関しては訴追されることも明らかにしている。

このような構想がもたらす影響として、仮想通貨関連企業の一部が、すでに海外組織を通じ業務を行っているとし、ロシア国内の仮想通貨プロジェクトは今後、海外での展開を進めていくだろうと次のように示唆した。

「将来的に、仮想通貨の違法化という構想が実際に採用されれば、正しいプロジェクトにも悪影響を与えることとなり、結果としてそのようなプロジェクトはロシア以外の地域に拠点を移すだろう。実際に仮想通貨に関連した大企業の多くは、既にロシア国外で、海外組織と手を組み事業を行っている。」

ロシア財務省では今年1月に、「デジタル資産規制法」の法案を作成し、仮想通貨取引、ICO及び、マイニング等に関する規制の枠組みを確立した。今年5月22日にはロシア連邦議会の国家院で、この法案が第一読会を通過している。

運営の見解

運営の椎木

ロシアに関しては、あまり情報がでてこないことで有名だが、今回のニュースでは「まだ仮想通貨に対しての違法性はない」との結果に落ち着いている。

これから規制がかかるかもしれないが、ロシアではダークウェブ内での武器や麻薬の売買に仮想通貨の取引が使われることが多いようで、DLTが違法性を主張し規制に圧力をかけているみたいですね。

国によってどのような基準で規制をかけてくるのかが違うのでそこにも注目をしていきたいろことです。