ストライプが仮想通貨ウォレットスタートアップのPrivyを買収へ

ストライプによる仮想通貨ウォレット企業Privyの買収を象徴するイラスト

決済大手ストライプ、Privyを買収でWeb3対応を強化

米・決済大手ストライプ(Stripe)は、仮想通貨ウォレット開発を手がけるスタートアップPrivyの買収に合意した。

Privyはオンチェーン識別情報の保護や仮想通貨ウォレットのインフラ構築を専門とする企業で、今回の買収により、ストライプのWeb3対応が一層強化される見込みだ。同社は、開発者向けに外部ウォレットを必要とせず自社プラットフォーム上にウォレット機能を簡単に組み込めるツールを提供。NFT(非代替性トークン)マーケットプレイスのOpenSeaや人材紹介会社Tokuなど多くの企業に導入されている。APIひとつでウォレットの起動や署名処理、オンチェーン統合が可能で、これまでに7,500万以上のアカウントと数十億件のトランザクションをサポートしてきた実績を持つ。

Web3戦略における重要な一手

ストライプは2022年からUSDCによる決済を試験導入するなど、Web3分野への参入を加速させている。

Privyの買収は、英国内での多通貨口座対応や50カ国へのメール送金機能など新サービス発表の2週間後に実施され、戦略的な展開の一環と見られる。さらに、インドのUPIやブラジルのPixなど25の新決済手段も導入済みで、企業が国際展開する際のハードルを大きく引き下げている。

Privyの買収は、Web3と伝統的金融の融合を目指すストライプの方針を象徴する動きであり、同社の創業者らは「Stripeとの連携で、未来のインターネット価値移動の仕組みを再構築する」と語っている。

Privyは今後も独立して運営される予定で、買収済のBridge同様、ストライプの仮想通貨インフラ構築に貢献していく。また、USDCおよびUSDBといったステーブルコイン関連サービスの拡充にもつながると期待されている。

仮想通貨インフラの整備と業界への波及

今回の買収は、金融インフラの大手がWeb3に本格的に乗り出す象徴的な事例として注目されている。

仮想通貨ウォレットの利便性と安全性の向上に向けた動きは、他の決済企業やフィンテック業界にも波及する可能性がある。ストライプ共同創業者ジョン・コリソン氏は、「ステーブルコインとAIが経済の次の大きな飛躍となる」と語り、銀行がステーブルコインの導入に強い関心を示していることにも言及。Privyとの取引は、今後数週間以内に完了する見通しで、正式な完了後にはさらに詳細が発表される予定だ。

 

ABOUTこの記事をかいた人

2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム