ジャスティン・サン氏、5億ドルのTUSD準備金不正流用を告発

ジャスティン・サン氏がTUSD準備金不正流用疑惑を告発し、FDTとドバイ銀行を非難する様子を描いたイラスト

FDTとドバイの銀行に向けられた疑惑

TRON(トロン)創設者のジャスティン・サン(Justin Sun)氏は、ステーブルコインTUSD(TrueUSD)の準備金5億ドル(約719億円)以上が不正に流用されたとして、香港の信託会社ファースト・デジタル・トラスト(First Digital Trust)およびドバイの複数の銀行を名指しで非難した。

日本語訳:
ファースト・デジタル・トラストとARIAの詐欺事件に関する最新情報
正式リリースをお祝い申し上げます。これは、Web3詐欺の追跡における透明性の向上に向けた…

これらの資金はファースト・デジタル・トラストとその関連会社を通じてドバイの銀行に不正移転されたとされる。

この疑惑は、TUSDの準備金がファースト・デジタル・トラストおよびLegacy Trustを経由し、ARIA Commodities DMCCおよびACFF (ARIA Commodity Finance Fund)に送金され、最終的にADIB (Mashreq Bank、Abu Dhabi Islamic Bank)、Emirates NBD、EFGに預け入れられたというもので、TUSDの裏付け資産に関する透明性が改めて問われる事態となっている。

関与が疑われる関係者

サン氏は以下の人物を、資金流用の実行に関与したと主張している:

  • クリスチャン・アレクサンダー・ボーンケ・ド・ロレーヌ・エルブーフ(TrueCoin 財務・運用責任者)
  • ヴィンセント・チョク(FDTおよびLegacy Trust CEO)
  • ヤイ・スコンサバンド(Finoport パートナー)
  • マシュー・ウィリアム・ブリテン(ARIA Commodity Finance Fund / DMCC 投資マネージャー)
  • セシリア・テレサ・ブリテン(ARIA Commodities DMCC 株主)

これらの関係者は、準備金を再生可能エネルギーや産業プロジェクトなどに不正に流用したとされている。

サン氏の対応と仮想通貨業界への波紋

サン氏はX上で、Web3Bounty.ioという新たな告発支援プラットフォームの立ち上げを発表し、透明性の向上と責任追及を強調した。

また、ドバイの規制当局および関係銀行に対し、調査の実施、不正資金の凍結、関係者の報告を求めている。

一方、ファースト・デジタル・トラストはこれらの主張を全面的に否定し、サン氏に対して名誉毀損での訴訟を提起。騒動を受け、同社が発行するステーブルコインFDUSDの時価総額は大幅に下落している。今回の事件は、ステーブルコインの裏付け資産や準備金管理の在り方に再び焦点を当てるものであり、仮想通貨業界における信頼性とガバナンスの強化が求められる局面を迎えている。

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2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム