仮想通貨取引所BullishへIPOを実施
PayPal、OpenAI、Palantirの共同創業者で億万長者として広く知られるピーター・ティール(Peter Thiel)氏が支援する機関投資家向け仮想通貨取引所Bullish(ブリッシュ)は、米国で42億3,000万ドル(約6,242.5億円)の評価額で上場を目指している事がわかった。
2025年8月4日(月曜日)付けでSEC(米国証券取引委員会)に提出された書類によると、同取引所はデジタル資産への関心の高まりを捉え、評価額42億3,000万ドルで最大6億2,900万ドル(約928億円)を調達する予定だ。
IPO価格と発行可能株式数について
SECへ提出した書類によると、同取引所は普通株式を合計2,030万株発行し、額面価格は1株あたり0.02ドルとしている。
同取引所は、IPO価格は普通株式1株あたり28ドルから31ドル(約4,130円から4,570円)と発表し、調達資金は将来の買収を含む一般的な事業運営および運転資金に充当される予定で、米国でIPOを実施し、普通株2,030万株を発行する予定だ。
同取引所の計画によると、BlackRock(ブラックロック)とArk Invest(アーク・インベスト)に関連するファンドがIPOに関心を示しており、これらのファンドは、最大2億ドル(約295億円)相当の普通株式の購入に関心を示しているとのことだ。なお、同取引所は、ニューヨーク証券取引所にティッカーシンボル「BLSH」で上場する予定で、同取引所は次のように述べている。
今回のIPOは市場状況に左右され、IPOが完了するかどうか、またいつ完了するか、実際の規模やその他の条件について保証はできません。
仮想通貨企業とIPOの勢い
Bullishは、2025年7月、SECにフォームF-1を提出したと発表したわずか数日後に、NYSE(ニューヨーク証券取引所)への上場を申請している。
米国が仮想通貨規制の明確化に向けて大きな一歩を踏み出す中、同社の計画はデジタル資産業界全体の強気な見通しと合致。現在米国で上場している仮想通貨大手には、コインベース(Coinbase)や、6月にNYSEに上場したステーブルコイン発行会社のサークル(Circle)などがある。
ただし、現時点では合意に至っておらず、引受証券会社はこれらの潜在的な購入者への株式販売数を増やすか減らすか、あるいは全く販売しないかを決定する可能性がある。
一方で同取引所は、2025年6月30日時点の仮想通貨保有状況も明らかにしており、保有資産の一部として、同取引所はステーブルコイン、ビットコイン(Bitcoin/BTC)、イーサリアム(Ethereum/ETH)をそれぞれ23万1,870ドル相当保有。無形資産として、ステーブルコイン、BTC、ETHも含まれており、それぞれ190万ドル(約2.8億円)強に相当する。
BullishのIPOのほかにも、同業の仮想通貨取引所であるクラーケン(Kraken)やジェミニ(Gemini)といった仮想通貨関連企業も米国でのIPOを目指しており、クレースケール(Grayscale)や仮想通貨カストディアのBitGoも米国でのIPOを申請している。