フィリピン当局が中国人経営の仮想通貨詐欺拠点を強制捜査
PNP(フィリピン国家警察)の一部門であるNCRPO(首都圏警察署)はは2024年8月22日未明、マニラにある中国人経営の詐欺センターを急襲し、仮想通貨詐欺や恋愛詐欺に関与した99人を逮捕した事がわかった。
週刊投資金融情報専門紙のバロンズ紙によると、フィリピン警察は8月22日、フィリピンのマニラにある中国人経営の詐欺センターを強制捜査し、詐欺的な投資に人々を騙していたフィリピン人や外国人労働者99人を逮捕。フィリピン警察は、パラニャーケ(Parañaque)市の詐欺拠点とみられる場所への強制捜査で99人を逮捕し、外国人と現地労働者を巻き込んだ仮想通貨と恋愛詐欺の詐欺計画を暴露した。なお、この会社は未登録で、従業員に危険な役割を強いていたという。
強制捜査を受けた同センターは、仮想通貨詐欺や恋愛詐欺を働いており、詐欺師が裕福なモデルを装い、被害者を取引プラットフォームへの投資に誘い込むというものだ。認可を受けたオンラインゲーム会社を装って運営されていたこのセンターは、諜報機関の報告により詐欺行為の存在が確認された後、今回の大量逮捕へとつながった。
NCRPO長官のホセ・メレンシオ・ナルタテス(Jose Melencio Nartatez)少将は、同社が仮想通貨と恋愛詐欺に関与しているという諜報報告を受けて、警察がバクララン地区セントリウムタワー1にあるAIA社の事務所を強制捜査したと発表。捜索はパラニャーケ市のセントリウムタワー1で行われ、中国人56人を含む外国人64人が逮捕され、逮捕者にはセンターのマネージャー、オーナー、監督者などが含まれており、いずれも中国人であったという。さらに、フィリピン人32人が拘束され、そのうちの何人かは詐欺師として働くよう強要されたと主張している。
2024年初め、フィリピンSEC(フィリピン証券取引委員会)は、投資家のセキュリティを強化し、取引プラットフォームを規制するために、2024年後半に仮想通貨規制を導入する計画を発表した。この動きは、バイナンスの禁止や主要アプリストアからのアプリ削除の取り組みなど、無認可の仮想通貨サービスプロバイダーの取り締まりに続くものである。
仮想通貨の違法行為
捜索中にフィリピン警察は、センターが裕福なモデルを装ったカスタマーサービス担当者を雇用し、被害者を詐欺的な取引プラットフォームへの投資に誘い込んでいたと報告している。
わいせつな目的の部屋も発見され、違法行為の規模が浮き彫りになった。この取り締まりは、詐欺、人身売買、その他の犯罪との関連を理由にフェルディナンド・マルコス・ジュニア(Ferdinand Marcos Jr.)大統領が最近オンラインゲーム運営業者を禁止したことに続くものだ。当局は、多数の違法賭博団体と一部の認可運営業者が同様の詐欺行為に関与していると考えている。なお、逮捕者に対しては、2012年サイバー犯罪防止法および証券規制法に基づく告訴が準備されているとのことだ。