仮想通貨犯罪者は2020年にDeFiを介して3,400万ドルを移動
2020年度のDeFi関連金融犯罪は、DEX取引量全体の1%未満だった事が分かった。しかし、データ分析企業のChainalysis(チェイナリシス)のチーフ分析科学者によると、DEXの犯罪率は2021年に上昇する予定を発表した。
2020年には約約150兆円がDEX(分散型取引所)を通過しているが、全ての取引が合法的に取得された仮想通貨に関係しているものではなかった。というのも、ブロックチェーン分析会社Chainalysisによって、約35億円相当のDeFi(分散型ファイナンス)トランザクションが犯罪者によって行われたとの調査結果が公表されていることからも裏付けられた。
Chainalysis「Value Received by lllicitServices Monthly 2020」より画像引用
およそ35億円という数字は、仮想通貨全体の取引額と比較すると、それほど多くないように聞こえるかもしれず、推定でDEX総取引量の0.02%にすぎない。しかし、2021年にDeFiを利用した犯罪量は増加すると予想されており、その数も依然として重要だ。
2021年にDeFiを介した犯罪増加が予想されている理由
Chainalysisのチーフサイエンティストであるジェイコブ・イルム(Jacob Illum)氏は、TheBlockと共有された報告書のなかで、これらの数値成長の要因が、純粋にロジスティックであると述べている。ChainalysisやEllipticなどのブロックチェーン分析会社は、2020年に発生した犯罪に関連するすべての活動を発見していない。そのため、Chainalysisが以前に行ったように、今年は追加の犯罪数発見の可能性も十分に考えられる。
例えば、プラストークン(PlusToken)ポンジスキームの場合で、2019年にさかのぼるが、その反省性は翌年まで特定されていない。イルム氏は、DeFi活動率が上昇したもう1つの理由として、サイバー犯罪者は、コードで規定された条件に応じて資金をユーザーウォレットにルーティングするDeFiのスマートコントラクトに注目している。トランザクション間の人間による監視は慢性的に不足している状態であり、結果としてDeFiを介したマネーロンダリングが増加すると主張している。
また、3つ目の要因として考えられるのが、Televendのようなダーク市場が分散化していることが挙げられる。Televendは、Telegramで暗号化された自動チャットボットを使用して、150,000を超えるベンダーをバイヤーに接続。購入者はベンダーの自動チャット注文を通じて、ボットによって生成されたBTCアドレスを受け取る仕組みだ。これに関してイルム氏は次のように語っている。
Televendは販売ごとにコミッションを受け取り、資金に触れることはない。そのため、法執行機関がブロックチェーン分析を通じて追跡する中央エンティティはなく、トランザクションは簡単に融合する。