ビットワイズ、米国SECにアプトスETFのS-1フォームを提出

クラシックなデザインのAptos ETFを象徴するビジュアル

ビットワイズ、アプトスETF申請

米国の資産運用会社 Bitwise(ビットワイズ)が、SEC(米国証券取引委員会)にアプトス(Aptos/APT)を対象とした現物ETF(上場投資信託)のS-1フォームを提出した。

米・デラウェア州でのファンド設立からわずか数日後の申請であり、同社の積極的な市場展開がうかがえる。

アプトスは、2021年に元Facebook(現Meta)のエンジニアらが設立したAptos Labsによって開発され、2022年10月にローンチされたレイヤー1(L1)ブロックチェーンだ。

今回提出されたS-1フォームは、アプトスを基盤としたETFを米国市場で上場させるための最初のステップであり、ビットワイズは、このETFを通じて機関投資家や個人投資家がアプトスに簡単にアクセスできる環境を整えることを目指している。ETFは、株式市場で取引可能な投資商品であり、仮想通貨ETFの場合は対象となる仮想通貨の価格に連動する形で運用される。アプトスETFが承認されれば、APTトークンの流動性向上や市場の拡大が期待される。

ビットワイズはすでに7つのETFを運用しており、暗号資産と国債を組み合わせた商品も提供している。しかし、アプトスETFはこれまでの中で最もリスクが高い資産と見られている。

市場の反応とAPT価格の動向

ビットワイズのETF申請のニュースが報じられた後、APT価格は一時15~18%上昇した。

これは、投資家がアプトスETFの承認に期待を寄せたことを示している。アプトスは、Metaが開発していたDiem(ディエム)プロジェクトの技術を基盤とするL1ブロックチェーンであり、高速な取引処理を特徴としている。そのため、機関投資家の関心を集めやすい銘柄の一つとなっている。

現在、アプトスのDeFi(分散型金融)市場にTVL(ロックされている総資産)は10億3,000万ドル(約1,526.6億円)近くにのぼり、そのうち8億3,000万ドル(約1,230億円)以上はステーブルコインが占めている。EVM(Ethereum Virtual Machine:イーサリアム仮想マシン)非対応の独自チェーンであり、DEX(分散型取引所)やレンディングプロトコルを備えている。

APTは時価総額で36位にランクされ、総評価額は38億ドル(約5,632.5億円)を超える。供給量のうち約45%がロック解除されており、2032年まで段階的に解除される仕組みだ。

アプトスETFの規制と今後の展望

SECは仮想通貨ETFの審査に慎重な姿勢を示しており、ビットワイズの申請も例外ではない。

承認には時間を要し、上場には複数の規制プロセスをクリアする必要がある。ファンドのAPTはCoinbase Custody Trust Company, LLCが管理するコールドストレージウォレットに保管されているが、売却による収益の保管先は未定だ。また、ビットワイズはアプトスのPoS(プルーフ・オブ・ステーク)機能を活用せず、ETFはAPTの価格変動のみを反映する仕様となる。

Aptosは、2025年以降の成長が期待されており、テザー(Tether/USDT)の導入による流動性向上が注目されている。現在、アプトスチェーンには約8億3,300万ドルのステーブルコインが流通し、市場拡大の要因と見られている。

取引手数料収益は毎週約38,560ドル、ブロックプロデューサーへの補助金は毎週700万ドルを超えており、エコシステムの成長を支えている。加えて、AptosブロックチェーンではFranklin OnChain US Government Money FundなどのRWAのトークン化も進んでいる。

アプトスETFの申請は、アルトコイン市場の拡大を示唆する重要な動きであり、今後のSECの対応や市場の反応に注目が集まっている。

ABOUTこの記事をかいた人

2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム