仮想通貨とAIで電力消費量が倍増するとIEAが予想
IEA(国際エネルギー機関)は、仮想通貨とAI(人工知能)が現在世界の総電力消費量の2%近くを占めていることを明らかにし、2026年までに電力消費量が急増する可能性があると警告したことが分かった。
IEA「Electricity2024 Analysis and forecast to 2026(日本語訳:電力2024 分析と2026年までの予測)」より画像引用
この数字は今後数年以内に倍増する可能性があり、急速に拡大する仮想通貨産業が世界中でデータセンターの増加の原因となっているとみられており、それがエネルギー消費の急増に寄与していると説明。170ページにわたる包括的な報告書の中でIEAは、今後数年間における仮想通貨とAIによる電力消費量の潜在的な増加に影響を与えるさまざまな要因を詳述しており、同庁は、増加は少なくとも2倍になる可能性があると指摘したうえで、次のように述べている。
データセンター、AI(人工知能)、仮想通貨部門による電力消費は2026年までに倍増する可能性がある。データセンター、仮想通貨、AIは、2022年に世界中で約460 TWhの電力を消費すると推定しています。これは世界の総電力需要のほぼ2%に相当します。
IEA は、これら3部門による世界のエネルギー消費量が2026年に620~1050TWh(テラ・ワット・アワー)になると予想していると述べており、予測が実現した場合、スウェーデンの少なくとも1か国、あるいはドイツの大部分が加わることになるという。
続く仮想通貨マイニングを巡る論争
仮想通貨マイニングをめぐる議論はしばらく続いており、2022 年に英国での電力盗難の量が増加し、その理由で最も可能性の高い3つの理由として、仮想通貨マイニングが挙げられていた。
しかし、2021年にウェストミッドランズ警察は違法なビットコイン(Bitcoin/BTC)マイニング活動を摘発。これには、電力供給を回避するために100を超える接続デバイスが関与した。一方、米国大統領候補のロバート・F・ケネディ・ジュニア(Robert F. Kennedy Jr.)氏は、ビットコインのマイニングがエネルギー消費に重大な影響を与えるという考えに異議を唱え、環境に関する議論を「取引の自由を制限する煙幕」として利用すべきではないと批判している。