ステーブルコインUSDCの取引高が「435%」増加|テザー社の裏付け資金問題の影響

ステーブルコインUSDCの取引高が「435%」増加|テザー社の裏付け資金問題の影響

ビットコインやアルトコインの避難先として使用され、ドルやその他の法定通貨に1:1で裏付けているステーブルコインが急激な成長を遂げているようだ。

仮想通貨関連の調査企業であるDiar(ディア)は21日、ステーブルコインの時価総額が史上最高額の40億ドルを記録していることを自身のレポートにて発表した。さらにレポートでは、ステーブルコイン全体の取引量は2019年の突入した5ヶ月間までに、昨年1年間の取引量を超えているのである。

仮想通貨市場におけるステーブルコインは、非常に重要な役割を持っており、ビットコインなど主要な仮想通貨が暴落した際に、ドルなどの法定通貨に1:1で裏付けられているステーブルコインへと交換することで、取引所から法定通貨へと換金する手間やコストが削減できる。

テザー社の裏付け資金問題と、2018年のUSDT

その反面、ステーブルコインには様々な問題がある。ステーブルコインUSDTを発行するテザーは、最も重要な点である裏付け資金を保有していなかったという重大な問題が発生している

テザーが発行するUSDTの準備金の一部が、ビットコインに投資されていた|BTC価格に大きな影響はない

2019.05.22

しかし、調査企業Diar(ディア)の調査内容では、2019年のテザーが発行するステーブルコイン「USDT」の取引量はすでに、昨年の全取引量よりも1.3兆ドルを上回り、最も取引されているステーブルコインとなっているようだ。

テザー社が発行するステーブルコインUSDTは、様々な問題を抱えているのにの関わらず非常に多くの取引ボリュームを獲得しており、昨年10月に仮想資産のベンチャー企業である「Blockchain」が発表した調査内容によると、2018年の毎日の総取引量の98%がTether(テザー)によって支配されており、これらがビットコイン(BTC)の毎日の総取引量の60%の割合を占めていることが分かっている

ですが、テザー社の裏付け資金問題によって他のステーブルコインへの資金流入が増加しているのも事実である。

ステーブルコイン「USDC」の急激な成長

仮想通貨決済関連企業CircleとCoinbaseの協力により開発されたステーブルコインであるUSDコイン(以下、USDC)の取引量が5月に突入し、急激な成長を見せている。

2019年のステーブルコインUSDCは、時価総額が1億4000万ドルを超えており、41%成長を記録。さらには取引高が435%の増加しているなど、テザー社の裏付け資金の問題はかなりのユーザーをUSDCやTUSDなどの他のステーブルコインへと興味を移動させているようだ。

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