イーロン・マスク氏はOpenAIの利益追求モデルへの移行に懸念を表明
イーロン・マスク（Elon Musk）氏はOpenAIの方向性について懸念を表明し、テスラ（Tesla）とXAIによる分散型AIイノベーションの必要性を強調した事が分かった。
同氏は最近、オールイン・サミットでAI（人工知能）の方向性について懸念を表明。注目しておきたい点は、デジタルスーパーインテリジェンスが、人類がこれまでに開発した中で最も強力なテクノロジーである可能性があることを強調したことである。同氏は、この権力を少数企業の手に集中させることにはリスクがあると考えており、次のように指摘している。
OpenAIの場合、あるいは子会社のDeepMindを擁するGoogleの場合でも、少数の者だけがコントロールできる一極世界になってはいけない。
OpenAIの変革とマイクロソフトの役割
マスク氏は、OpenAIがオープンソースの非営利団体から、より閉鎖的な営利追求組織への移行を批判している。
さらに、当初AIの民主化を目的として設計されたOpenAIが現在では主にマイクロソフト（Microsoft）社のAzure上で実行されている。その結果、マイクロソフトは将来のバージョンを含め、OpenAIのソースコードとデータに前例のないアクセス権を持つ可能性があり、同氏は次のように警告している。
OpenAIはマイクロソフトがどの程度のコントロールを行使できるかを理解していないと思う。
マスク氏はオープンソース技術の支持者でもあり、OpenAIの方向転換に懸念を示しているほか、マイクロソフトの道徳的意思決定の実績に疑問を投げかけ、マイクロソフトがこの点で驚くべき実績を持っているとは言えないと述べている。
AIランドスケープにおける競争相手としてのXAIとテスラ
より前向きな話として同氏は、テスラと彼の新たな事業体であるXAIとの計画について語っており、テスラは世界有数のAI企業の1つであり、自動運転技術において、現実世界で最高のAIを備えていると主張している。
テスラのFSD（Full Self-Driving：完全自動運転）機能はすでに進歩しており、同氏は近いうちに人間の運転よりも安全になるかもしれないと語っている。テスラのDojoまたはFSDテクノロジーのオープンソース化を検討するかどうか尋ねられた際に同氏は、オープンではあるものの、積極的ではない印象を持たれている。そのため同氏は、テスラとXAIをAI分野で強力な競争相手にしたいと考えており、AI 開発への分散型アプローチが人類の未来にとって重要であると信じている。また、同氏はテスラが過議決権のない良好なガバナンス構造を持っており、同氏の側からの潜在的な誤った決定を防ぐことを保証している。
さらに同氏は、AI技術の独占に伴うリスクについても警告している。同氏は、少数の重要なプレーヤーによる不当な影響を避けるため、AIにおける権力とリソースのよりバランスのとれた配分を求めているものの、テスラやXAIなどのベンチャー企業によるAIの将来については依然として楽観的であり、これらを現在のAIリーダーに代わる実行可能な選択肢として位置づけている。
XAIとは
ChatGPTチャットボットの背後にある技術系スタートアップ OpenAI の創設者の 1人であるイーロン・マスク氏により、最新のAIベースの企業として立ち上げられた企業だ。
Announcing formation of @xAI to understand reality
— Elon Musk (@elonmusk) July 12, 2023
現実を理解するためのXAI結成を発表
OpenAI は非営利団体としてスタートしているが、すぐに焦点を変え、現在ではデジタル消費者向けに発売された最も革新的な人工知能製品の1つであるその発明を収益化している。
XAIが非営利団体として運営されるのかどうかは不明だが、プラットフォーム導入の真剣さは、関連するX（旧社名：Twitter）アカウントに認定企業向けに指定された黄色の認証バッジが付いているという事実から予見できる。XAI が生み出すものを世界中が待ち望んでいる一方で、仮想通貨エコシステムの利害関係者は、XAI が世界を変える取り組みに参加できることを期待してXAIに高い関心と共感を抱いている。
