リップルがヒンマン文書却下判決でSECは控訴オプションを保持
米国地方裁判所が悪名高いヒンマン文書に対する判決を下し、世界の仮想通貨業界はデジタル資産の特徴付けに関する規制の明確化に近づく中、アナリサ・トーレス(Analisa Torres)判事によるSEC(米国証券取引委員会)の申し立ての却下は、リップル・ラボと他の被告の勝利とみなして喜ぶ中、SEC側は控訴オプションを保持している事が分かった。
ヒンマン文書は、元SEC企業財務局長ビル・ヒンマン(Bill Hinman)氏のスピーチに関連したメモと電子メールであり、その中で同氏はイーサリアム(Ethereum/ETH)は有価証券ではないとの見解を述べた。しかし、サラ・ネットバーン(Sarah Netburn)判事は以前、証拠開示プロセスの一環として、ヒンマン文書をリップルとXRP訴訟の被告に引き渡すよう命じている。
まだ残されているヒンマン文書リリースの可能性
当NEXTMONEYの特集記事「裁判所はリップル訴訟でヒンマン文書の封印を求めるSECの要求を却下」でも報じたように、トーレス判事がヒンマン文書の封印を求めるSECの申し立てを却下。
しかし、ここからSECが次に何をするのかを見極めることが重要である。米国のニュース専門ケーブルチャンネルを手掛けるフォックス・ビジネス(Fox Business)ジャーナリストのエレノア・テレット(Eleanor Terrett)氏は、情報筋の話として、両当事者がじっくりと話し合い、文書をいつどのように公開するかについて話し合う予定であることを明らかにしたと報告している。しかし、SECにはこの決定に対して中間控訴をする選択肢があると同氏は述べている。
彼女はさらに、これは証拠開示問題であり、上訴された場合、そのような申し立てを認めるかどうかは裁判官にとって難しい決定になるだろうと指摘。一方、裁判官が上訴を認める可能性は極めて低いとみられている。
ジェレミー・ホーガン(Jeremy Hogan)弁護士は、SECには再審理を提出する期限が10日間あると強調。ただし、リップルと被告は希望する場合には委員会と協議する予定で、そうでない場合、ヒンマン文書がいつでもリリースされる可能性が危惧されている。