ドルへの依存度を減らしたい中国はアジア人民元の発行を提案

中国がアジア全体のデジタル通貨を提案

進行中の世界的なCBDC(中央銀行発行デジタル通貨)採用のなか、中国は米ドルへの経済的依存を減らすためにアジア全体のデジタル通貨を提案した事が分かった。

米ドルは間違いなく最も広く使用されている国際通貨であり、国際通貨政策も米ドルに基づいて実施されている。多くの国の経済は、国際貿易と為替を米ドルに依存しているが、他の通貨は米ドルに固定されている。調査によるとアジア地域は、現地通貨を犠牲にして国際取引を米ドルに大きく依存していることから、現地通貨で資金を調達できないことを反映している。

ドルが支配的な国際金融で経済は波及効果に対して脆弱に

アジアで最も先進的な国である中国、韓国、そして日本も米ドルに依存しており、ドルが支配的な国際金融により、経済は米国からの波及効果に対して脆弱になる。

この経済的脆弱性は、中国がアジア元トークンの導入で排除しようとしているものであり、中国の研究者によると、アジア全体のデジタル通貨である「アジア人民元」トークンは、国際ビジネスに対するアジアの米ドルへの依存を減らすことを目的としているとのこと。

アジア人民元トークンはASEAN加盟13カ国の通貨にペグされる

仮想通貨と米ドルは、送金、通貨インフレヘッジ、国際ビジネスのために、東南アジアの人々の間で広まっている。

CASS(Chinese Academy of Social Sciences =中国社会科学院)の研究者であるリゥ・ドンミン(Liu Dongmin)氏、ソン・シュアン(Song Shuang)氏、シュウ・シュエジ(Zhou Xuezhi)氏らは、米国の国際関係関連情報を取り扱う季刊誌World Affairs Journal9月号で見解を発表。研究者らは、アジアの人民元トークンはアジアの米ドルへの依存を減らすだろうと自信をにじませている。

分散型台帳技術がアジアのトークンをサポート

CBDCと同様に、研究者らは分散型台帳技術がアジアのトークンをサポートすると考えている。

アジア人民元トークンは、ASEAN(東南アジア諸国連合)加盟10カ国の通貨を含む13の通貨に固定され、トークンペグを形成する他の3つの通貨は、中国元、日本円、韓国ウォンとなるという。東アジアにおける20年以上にわたる経済統合は、地域通貨協力の基礎を築いており、研究者たちは、アジア人民元トークンを設定するための条件は熟したとみているという。

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